『米トルコ関係最悪の状態その後に何が』

2019年5月 5日

 アメりカとトルコとの関係は、いま最悪の状態にあるのではないか。トルコの進める幾つもの内外行動が、どれもアメリカの怒りを呼ぶものばかりだ。例えば、トルコはISの戦闘員をリビアに送ったが、アメリカがリビアで支援しているのは、ハフタル将軍の側だが、ISは反対のセラジ首相側を支援している。

 シリアのクルド問題でも、トルコはアメリカの支援しているSDFを、攻撃したがっているし、マンビジュではアメリカ軍を追放する工作を、続けてきていた。また、イラン対応ではトルコは、アメリカと真っ向から対立している。トルコはイラン石油の制裁に反対であり、未だにイランと取引している、

 イラク問題でもアメリカの嫌うシーア政権を支持しているようだし、その事はイランのイラクへの影響力を増加することを助けもしよう。そのイラクはいまアメリカ軍の基地のある、バハレーンと険悪な関係になっている。

 また、アラブ湾岸諸国への対応でも、トルコはカタールを支持しており、サウジアラビアやアラブ首長国連邦とは対立関係にある。この問題もそう簡単ではないのだ。アメリカにしてみれば、トルコのアラブ湾岸問題のへの関与を、出来るだけ抑えたいだろう。

 加えて、最大の問題はロシアとトルコの関係であろう。ロシアの生産するS400ミサイルの輸入で、トルコとアメリカは真っ向から対立している。アメリカは自国のパトリオット・ミサイルを売りたいし、F35戦闘機を売りたいのだが、そのためには、トルコにロシアのS400ミサイルを、買わせたくない。

 それで、アメリカはトルコがS400ミサイルを購入するなら、F35戦闘機は売らないと言い、パトリオット・ミサイルも然りだと言っている。だがアメリカとしてはどうしても、F35やパトリオット・ミサイルを、トルコに売りたいことも事実だ。

 トルコのエルドアン大統領は、アメリカがF35やパトリオット・ミサイルを売らないなら、ロシアからもっとS400ミサイルを買うし、アメリカのF35に代わる戦闘機Su57を、ロシアから買うと言い出し、それに対しロシアも売ると言っている。

 つまり、エルドアン大統領はアメリカに対して、一歩も引く気は無いということだ。これでは近い将来、アメリカとトルコが正面衝突するしかあるまい。そうなれば、トルコは完全にロシア陣営に入ってしまい、NATOはバラバラになり、アメリカはトルコのインジルリク空軍基地を、使えなくなろう。ドイツやフランスはNATO 解体を考えており、それに代わるヨーロッパ軍を創設し、ロシアとの関係も、改善したいと思っているのだ。

 そこで出てくる可能性は、アメリカがエルドアン大統領に継ぐ人物を、大統領に擁立するのではないか、ということだ。しかも、それは意外に早い時期ではないのか、それはロシアのS400ミサイルは、7月中にトルコに届けられることに、なっているからだ。

 残された時間はあと一ヶ月か?この一ヶ月の間にトルコとアメリカとの関係に、とんでもないことが起こるかもしれない。そこまでエルドアン大統領は、アメリカにとって不愉快な人物に、なってしまったのではないか。アメリカにとって7月のトルコ・クーデターは、案外現実的な選択かもしれない。