『ISは各地へ転戦か・東アジアも標的』

2019年5月17日

 IS(ISIL)がシリアやイラクを離れて以来、現地からの情報は少なくなったが、未だにシリアでもイラクでも、攻撃を仕掛けているようだ。そのことには、驚きを感じるしかないが、それ以上に驚くのは、彼らの活動が大分範囲を広げたことだ。

 スリランカで起こったテロでは、いち早くIS(ISIL)が犯行声明を出したが。もちろんこの場合は、現地のイスラム過激派で、IS(ISIL)と関係のあるところが、犯行に及んだということであり、IS(ISIL)の戦闘員がスリランカへ行って、攻撃を仕掛けたわけではない。

 その後もスリランカでは、ムスリムの工場が焼かれているが、これはどちらかと言えば、IS(ISIL)と反対の組織によるもの、つまり仏教徒の過激派によるものではないか、と思われる。

 加えて、エジプトのシナイ半島北部では相変わらずIS(ISIL)と思しきテロ集団が、戦闘を続けている。つい最近も、エジプト軍の攻撃を受けた、IS(ISIL)らしきグループが、7人も死亡している。

 シナイ半島北部のテロ組織については、エジプト政府はタクフィール・グループと言っているが、この場合アルカーイダかIS(ISIL)ということになる。つまりイスラム過激派のことだ。

 イラクでもやはり、IS(ISIL)によるテロが、いまだに続いている。西イラクのアンバル付近で、イラク軍がIS(ISIL)に対し攻撃を加え、9人を殺害している。このアンバルに近い地域は、沙漠だけであり、隠れやすく、逃亡が容易にできる、と言われている地域だ。

 ニュースの特徴は異なるが、カナダではアルカーイダ系組織が、寄付金集めをしている、という情報が流れてきている。カナダにもムスリムはおり、意外な程オープンに、そんな活動が、出来ているということのようだ。さすがに、このことは注目を集め、カナダ政府が対応に動き出そう。

 加えて、IS(ISIL)の動きとしては、リビアを挙げることが出来よう。以前にもお伝えしたようにトルコやマルタから、IS(ISIL)戦闘員がリビアに入り込み、セラジュ政権を支援し、ハフタル将軍側と戦闘を交えている。

 加えて、IS(ISIL)はリビアの南部地域でも、活発な活動を展開しているようだ。そうした情報が流れるなかで、リビアにはバグダーデイがいる、とい情報も流れてきている。真偽のほどは分らないが、もしそれが事実なら、彼をリビアに移送しえたのは、アメリカ以外にあるまい。

 こうして眺めてみると、IS(ISIL)はいまだに健在だ、ということであり、今後は東アジアが、標的とされそうだ。インド、バングラデッシュ、インドネシア、ミャンマー、フィリピンなど、新たな戦闘地域となろう。そして中国もターゲットになりそうだ。