『リビア情勢ハフタル軍優位か』

2019年4月29日

 リビアの首都トリポリでは、激戦が続けられているという情報が伝わってきているが、どうも東リビアのハフタル軍(LNA)が、優位に立っているようだ。それは、ハフタル軍に対する支援が、エジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビアから、寄せられているからであろう。

 

 加えて、ヨーロッパからはフランスとイタリアが、やはりハフタル軍を支援しており、ロシアも然りだ。またアメリカももともと、20年にも渡って、ハフタル将軍を匿ってきていた国であり、リビア革命勃発時には、彼をリビアに戻している。つまり、アメリカもハフタル軍を支援している、ということであろう。

 

 その結果、ハフタル軍はいまリビアの3分の2を、支配しているといわれている。アラブ首長国連邦は沿岸警備艇アルカラマを、ハフタル軍側に送っており、その警備艇が最近、ラース・ラヌーフの石油積出港に。進出しているのだ。また、エジプトは軍事空港を建設し、軍用ヘリを送り、軍人も送っているといわれている。

 

 こうした情況を見ると、エジプトやアラブ首長国連邦、サウジアラビアに加え、フランスやイタリアもハフタル軍が、出来るだけ早くリビアを完全掌握して欲しい、ということであろう。ヨーロッパ諸国にとってリビアの石油は、非常に重要なのだ。

 

 トランプ大統領のイラン石油締め付けのおかげで、ヨーロッパだけではなく、多くの国々が石油不安に、陥っているのだから、当然であろう。