『スーダンのスアキン島の話』

2019年4月28日

 紅海に浮かぶスアキン島という島があるそうだ。もちろん行ったことがないので、 詳しい話は書けないが、何か興味がわく島だ。この島については、以前にもネットで紹介されたことがあったが、この島はアフリカからのハッジ(巡礼者)の、サウジアラビアに向かう、船乗り場だったということだ。紅海の対岸にはメッカがあるのだから、最高の位地だったのであろう。

 同時に、スアキン島はアフリカの産物を、アラビア半島や欧州にも、積み出していたのではないだろうか。アフリカ東海岸からは象牙や奴隷、金、宝石も積み込まれていたのではないか。以前この島はオスマン帝国の時代に、スーダンがオスマン帝国に貸していたもののようだ。

 いまになってこの島の話が浮かび上がってきたのは、島の位置が軍事戦略的に、重要性を増しているからであろう。トルコはこの島を再開発して使おうと考え始めているようだ。当然軍事基地が想定されるために、サウジアラビアやアラブ首長連邦、エジプトは神経質になっている。

トルコは紅海周辺の幾つかの国に、軍事基地を持っているらしいがそれは、エリトリアであったり、ジブチやソマリアなどのようだが。スアキン島を使えることになれば、それはより有利になろう。なかでもサウジアラビアとの、緊張関係にトルコは今あるわけであり、言わばサウジアラビアの喉元に、軍事基地を持つことになるのだ。

 島の写真がネットに載っていたが、丸い形をした島であり、縦横に道路が走っており、相当整備されていたのであろうことが、想像される。昔は大分にぎわっていたのではなかろうか。オスマン帝国は相当力を入れてこの島を開発していたのであろう。

 いまの段階では、トルコとスーダンが協力して観光開発する、ということのようだ。多分、ヨーロッパ人は強い関心を、示すであろうし、トルコ人もそうであろう、と思われる。航空写真で見ても興味がわくし、昔の壊れた建物も多数あるからだ。

 多分この島が、にぎわっていたであろうと思われるのは、意外に気温が低かったからではないか。アフリカの大陸部は、水際から少し離れただけで、気温はグンと上がる。以前、ルクソールの行ったときに、夜だったが神殿を見にボートに乗ったことがある。その水上の気温と陸地の気温差が、あまりにも大きいので、驚いたことがある。

 スアキン島は、周囲が海で覆われており、大分気温が低かったのであろう。陸路ハッジに向かう人達や、物を運ぶ人達にとって、スアキン島は天国のような、島だったのではなかろうか。