トルコの元首相ダウトール氏が、新党の結成に動き出した。彼はエルドアン大統領に取り上げられ、首相に就任したのは2014年であり、2016年まで首相職を務めている。しかし、学者であった彼は、エルドアン大統領に苦言を呈することがあり、遂には首を切られた、ということだ。
エルドアン大統領はダウトール首相の、任期の最後の部分では『誰のおかげで首相になれたと思っているんだ。』と怒鳴りつけた、という話が外部にまで、伝わってきていた。そのことはエルドアン大統領が、極めて横暴であったということであろう。
今回のダウトール氏の新党結成は、現在の与党AKPが、あまりにもでたらめだということで、始められたものであろう。ダウトール氏は今回の地方選挙での、与党AKPの惨敗は、MHPとの連携があったにもかからず、経済政策で見るべき成果がなかったからだ、と非難している。
確かに、トルコのリラは下げまくり、現在も1ドルに対して、5・835リラとなっている。それは、先週の金曜日の終値の、5・817リラよりも下がっているのだ。ダウトール氏は政府の稚拙な対応が、外国からの信用を失い、トルコへの投資を抑えている、と指摘した。
彼ダウトール氏に言わせると、トルコは国際金融市場での信用を無くし、国内開発はほぼ死に体となっている、と指摘している。(トルコのメガ・プロジェクトは、大半が外国からの借入金で、賄われていた。それは外貨建てになっているため、リラの下落は返済が厳しくなっているのだ。民間企業も同じであり、企業倒産が目立って増えている)。
経済政策の失敗は、トルコ政府の失敗そのものであり。政府の信用はがた落ちとなっている。政府の進める経済政策は現実的でない、ということが問題だ。そうした問題は政府の雇用が、個人的なつながりで、行われているからであり、個人の能力に関係なく雇用されているからだということだ。従って。無能なスタッフが政府の仕事に。就くようになっている。
そうした現状を憂い。ダウトール氏は新党の結成を。思い立ったということだ。そのタイミングは。地方選挙で与党AKPが敗北し。エルドアン大統領の信用が、社会的に下落したなかでのことだった。
ダウトール氏は与党AKPが、大分弱っていること、エルドアン大統領へ国民からの、信用と支持が、下がったことを客観的に分析して、始めたのであろう。野党支持者たちの多くは、これでエルドアン体制が、崩れるとみているようだ。