エジプト経済にはこのところ、顕著な改善が見られるようだ。対外債務が大幅に減少し、その減少額は74パーセントに達している。この報告はIMFが出したものだ。IMFは『エジプトの対外債務は、74パーセントの減少だ。』と報告している。
このエジプトの対外債務減少は、2022年から2023年に達成されるということだ。IMFはこのことに加え、エジプトの経済成長は、6パーセント台を記録していると報告し、これに対して、インフレ率は13~14パーセントに、落ち着きそうだということだ。
インフレ率が下がり、同時期に外貨交換レートは落ち着いている。
一方、エジプトの経済成長率は、2018年12月には、5・5パーセントに達しているということだ。そして、インフレ率は11.1パーセントと安定した方向に向かっており、過去33ヶ月で最低となっている。
他方、トルコはというと、最近の経済状況は最悪ではないのか。インフレ率は上がり、失業率も上昇し、物価高で国民は苦しんでいる。外貨交換レートもリラ安となっている。これは押しなべて、『エルドアン大統領のミスリードのよるものだ。」と専門家たちは分析している。
トルコは一時期国内の経済改善のために、金利を大幅に下げ、一ケタ台にした。しかし、その後外国からの外貨借り入れと、投資を呼び込むために、金利は二ケタ台となり、遂に25パーセント前後となっている。
先日実施された、統一地方選挙の首長選出では、野党CHPの候補が、アンカラ、イスタンブール、イズミールなど5大都市で勝利したが、与党AKPが取ったのは、たった一都市に留まったのだ。
エルドアン大統領は面目丸つぶれであった。このためエルドアン大統領は票の数えなおしを命令したが、それでもCHPの当選は確実となった。このため、エルドアン大統領は『当選者の犯罪歴などを調べる。』と言い出している。
だが、今回の選挙ではヨーロッパやアメリカの、監視が厳しいため、デタラメは通じなくなっているのではないか。エルドアン大統領が選挙結果をいじくり覆すようなことになれば、トルコの国際的信用はますます下がり、外国から資金が入って来なくなるだろう。
トルコの経済は高金利を狙った、欧米からの資金で成り立っており、もし、トルコが信用を失えば、外国からの資金は一気に、トルコから逃げ出すことになろう。このため、近い将来は1ドルに対して6.2リラに下がり(現在のレートは5・6リラ程度)、中期的にはには、1ドルに対し7リラを下回る、交換レートとなると見なされている。
このエジプトとトルコとの経済状況に違いは、アメリカとの関係、イスラエルとの関係にかかっているようだ。先日報じられたところによれば、エジプトでモルシー大統領(ムスリム同胞団政権)が、シーシ将軍によって打倒された裏には、イスラエルのアドバイスがあった、と言われている。