ロイター通信の調べでは、トルコ・リラが今年中にドルに対して、6.25まで下がるという予測を出した。その理由は対米関係が悪化することと、トルコ国内の緊張が、高まっていることによるのだ。
はトルコに対し、NATOを選ぶのかNATOから抜けるのか、アメリカを選ぶのかロシアを選ぶのか、と厳しくトルコに迫っている。
アメリカとの関係では、ロシア製S400の輸入で、トルコはアメリカを苛立たせている。アメリカ
ロシアのS400ミサイルか、アメリカのパトリオット・ミサイルとF35なのか、ということだ。トルコはF35戦闘機については、100機の購入を希望している。これはアメリカにとっても、微妙な問題であろう。
トルコが最終的にF35の輸入を止め、ロシア製の戦闘機に変えることになれば、その事によって、アメリカがこうむる損害は巨額に上ろう。武器の輸出が最大の外貨稼ぎの元、となっているアメリカにとって、そしてトランプ大統領にとっては、頭の痛い問題であろう。
トルコにしてみれば、ロシア製のSU戦闘機の方が、アメリカ製よりも性能が良く、しかも安価なのだから、別にF35にこだわる必要はない。どちらかと言えば、トルコはアメリカに対してF35の取り引きで、アメリカに対し神経戦を、挑んでいるのではないのか。
アメリカはアメリカとトルコの二重国籍を持つ、セルカン・ゴール氏の釈放を、要求してもいる。彼はNASAの科学者だ。加えて、イスタンブールの領事館スタッフが、スパイ容疑で逮捕されているが、彼の釈放も要求している。
テロリズムへの関与問題は、昨年アメリカとトルコとの関係を悪化させ、結果的に、トルコ・リラはドルに対して、7.20まで下げることになり、いまだにその経済への悪影響が、尾を引いている。
トルコの3月31日の選挙結果は、エルドアン大統領の与党AKPの惨敗となった。全体的には、AKPの取った地方首長の方が多かったのだが、トルコの大都市アンカラ、イスタンブール、イズミール等では、ことごとく敗北しているのだ。
その事は、今後のトルコの動向に、暗い予測をさせているのではないのか。