『IS相変わらずシリアで活動』

2019年4月22日

  IS(ISIL)が正式に打倒されたのは、323日だった。しかし、IS(ISIL)はその後も活動を、継続しているようだ。49日にはSDFが支配してる、元IS(ISIL)の首都ラッカで、爆弾テロ攻撃を仕掛け、13人を殺害している。

 それがIS(ISIL)にとって可能なのは、シリアの各地の部族を抱き込んで、その部族を隠れ蓑に、潜伏しているからだ。これでは、400人に削減されたアメリカ軍では、何の対応も出来まい。そのことはシリア政府も認めている。

 IS(ISIL)はシリア国内のネットワークを活かし、部族の支援を受け、攻撃を仕掛けているが、それで一番苦しんでいるのは、クルドのSDFであろう。そのことは北シリアを支配する、SDFの本部が認めている。クルドは北シリアでは、ある種の自治権を手に入れているが、IS(ISIL)の存在は、

SDFにとってはまさに、頭痛の種であろう。

 IS(ISIL)がやっていることと言えば、処刑、レイプ、エスニック・クレンジングといったことだ。姦通をしたとされる女性は、石打ちの刑に処せられてもいる。ホモセクシャルの男性もしかりだ。

 シリア北部のアルホルにあるキャンプには、12000人が収容されているが、そこには女性が4000人、子供が8000人いるということだ。このキャンプはシリアで、最大の規模だ。なおアルホルの人口は、73000人ということだ。

 問題はこうしたキャンプにいる、子供たちをきちんと世話しないと、将来、新たなテロリストに成長してしまう、危険性がある。そうした懸念から、ヨーロッパ諸国は、IS(ISIL)のメンバーだけではなく、彼らの家族、女性や子供さえも、引き取りたがらないのであろう。

 IS(ISIL)のメンバーの多くは、アメリカの支援でアフガニスタンや、リビアなどに移動したが、未だにシリアには残存しており、活動(戦闘)を継続しているということだ。彼らがシリアの土地にへばりついているのは、シリア以外に生活する場所が、無いからであろう。