『トルコ景気はよくない・武器輸出が唯一好調』

2019年3月12日

  トルコの経済は悪化の方向にあるようだ。昨年の第4四半期で言うと、3パーセントの落ち込みが見られる。これには通貨の下落なども影響している。これまで7パーセント台だった、外国からの投資も、昨年はへこんでいる。

 昨年全体の経済成長率は26パーセントで、これはアメリカの関税の引き上げによる影響で、昨年第4四半期には顕著にその影響が出ている。加えて、トルコでは昨年には、通貨暴落も起こっている、2017年には外国からの投資が7パーセント台の伸びを示していたが、それが振るわなくなっているのだ。

 2018年の経済成長率は、全体で2・6パーセント、エルドアン大統領の打ち出す、経済改善策は成功せず、インフレ率は15年以来の、25パーセントという高い数値を、記録している。

 2019年は政府の見積もりでは、経済成長率は2.3パーセントだが、それは国内市場に頼るものであり、税金の引き下げや、その事による価格の引き下げなどだ。価格引下げは自動車、家具、そして家電製品などとなっている。販売店は10パーセントの値引きを行う予定だ。

 それではトルコの経済の見通しは、暗いだけかというと、そうでもない部門もある。武器の輸出は好調であり、過去4年間で170パーセントの、伸びを記録している。ストックホルム国際平和問題研究所(SIPRI)のデータによれば、トルコの武器輸出は、2014年から過去4年間で、170パーセント伸びたと報告されている。

 その輸出先国は、アラブ首長国連邦が30パーセント、トルクメニスタンが23パーセント、サウジアラビアが10パーセントとなっている。他方、武器の輸入は21パーセント減っているが、そのうちの61パーセントはアメリカからの輸入だ。なお、アメリカの中東諸国向け武器輸出は、全体の52パーセントを占めている。

 このアメリカとトルコとの武器貿易を見ると、そこにも現在のトルコとアメリカの関係悪化の、理由が浮かんでくる。トルコは次第にロシアからの、武器調達を増やして行きそうであり、アメリカからの高額兵器輸入は、次第に減らしていこう。そうなれば、両国関係は、ますます悪化していく可能性があるが、トルコはその場合、アメリカ以外の大口の貿易相手国を、探さなければならなくなるだろう、ということだ。