この期に及んで、何を言うかという感じだが、アルジェリアのブーテフリカダイ統領は、『あと一年だけ大統領をやらせてほしい。』と国民に呼びかけている.『あと一年くれたら私は委員会を組織して、新しいシステムを決める。』と言ったということだが、国民は全く耳を貸さず、バブエッゾウラ大学の学生などは授業をボイコットし続けている。ほかの大学生も同じだ。
あるアルジェリア人は、外国のジャーナリストに対して『一年で辞任するなんて言う法律はアルジェリアには無い、ブーテフリカは一体何をやりたいんだ。』と怒りをあらわにして語ったというということだ。
若者の失業がひどく、経済は悪化の一途を辿っている状態であることから、デモ参加者たちはブーテフリカ追放まで、デモは継続すると息巻いている。20年にも及んだ彼の独裁的支配には、うんざりだということであろう。
それは、与党FLNの党員の間でも、広がっているようだ。健康に問題のあるブーテフリカ大統領は、昨年久しぶりに表に顔を出したが、彼はその時は車椅子に乗っていた。いまはスイスの病院に入院して、治療している状態だ。
学生などのデモに対して、警察は特別な対応を取らずに、ただ遠巻きにしているだけであり、軍は全く動いていないようだ。そのことは、ブーテフリカ離れが、この業種の人たちの間でも、広がっているのであろう。
さて、問題は今回の大衆デモには、それを組織だったものにする、組織もリーダーもいないようだ。従って、このデモがどこに向かうのか、どう収まりをつけるのか明らかでない。途中で胡散霧消してしまうことも、ありうるのだ。
投票日は4月18日だが、現在に至って、ブーテフリカ以外の立候補者たちの名前が、明らかになってきている。それらはアリー・ゼグオウド、独立候補のアブドルカリ-ム・ハマデイ、ビジネスマンのラシド・ネッカーズ、元首相であった最大の対抗馬アリー・ベンフリスなどがいる。ここで気にかかるのは、ビジネスマンのラシド・ネッカーズであろうか。彼はブーテフリカの庇護の下で、財を蓄えているはずだからだ。
また。辞任しているアリー・ゲデイリ将軍がいるが、彼はいまのところ、沈黙を守っている。そしてイスラム党のアブドルラザーク・マクリがいる。さてこの中から次の大統領が、選出されてくるのか、あるいは、全く別の人物が出てくるのか。出来るだけ穏便に次の大統領が、選ばれてほしいものだ。
90年代のような、20万人が犠牲になるような事態は、何としても避けたい。