『バグダーデイはいまだ健在自由行動』

2019年3月 4日

 IS(ISIL)のリーダーであるバグダーデイが、シリア・イラク国境地域を、自由に動き回っている、という情報が流れて来た。彼はもちろん、IS(ISIL)の厳重なガードのもとに、それを行っているわけであり、単独で行動できる情況には無いようだ。

 以前に負った負傷が未だに、彼の身体を不自由にしている、ということだが、それでも頭は壊れていないようで、指揮を執っているのであろうか。そうしたIS(ISIL)とバグダーデイの行動に、周辺諸国は怒り心頭なのであろう。イランのプレス・テレビが以下のような情報を流している。

 アメリカとトルコは、IS(ISIL)のリーダーであるバグダーデイが、何処にいるか知っている。テロリズムはスポンサーと資金提供者によって、利用されている。アルジェリアはニジェールとの国境地帯に、多数のIS(ISIL)戦闘員がいることを、確認している。

 数百人のIS(ISIL)の戦闘員は、シリアのアレッポから移動したものだが、彼らがどう移動できたのかを、考える必要がある。(アメリカ軍の軍用機などで、シリアからニジェールまで、運ばれたのであろう。)

 最近では、アメリカがIS(ISIL)から50トンの金塊を、受け取ったという情報もあるが、これは、IS(ISIL)の戦闘員を、シリアからイラクの安全な場所(アンバルなど)、そして、そこからはIS(ISIL)の戦闘員を外国(リビア、アフガニスタン、ニジェール・アルジェリア国境など)へ移動させることに対する見返りに、行われた取引だということだ。

 トランプ大統領はテロリストに、投資することによって、テロ活動を再活性化させようと思っているというのだ。確かに、つい昨日には、シリアのイドリブ近郊で、大規模な戦闘がシリア軍と

IS(ISIL)との間で展開され、シリア兵21人が、犠牲になっている。

 多くの専門家は現在のIS(ISIL)の状況について『IS(ISIL)は戦いに敗れたが、未だに健在だ。』『IS(ISIL)は戦闘では敗北したものの、IS(ISIL)のイデオロギーは不滅であり、今後も対応に困難を極めよう。』などと評している。

 その関連では、湾岸諸国がシリアのアサド大統領に対して、2000億ドルの援助(シリア再建資金であろう〉を持ちかけ、イランとの関係を切るよう、迫ったということだ。しかし、アサド大統領はこの提案を、受け付けなかったようだ。それはそうであろう、いまのアサド大統領はイラン軍が、最も頼りになる戦闘集団だからだ。