『ペンスがトルコにS400輸入をキャンセルしろと迫る』

2019年2月20日

 アメリカのペンス国務次官が、トルコのエルドアン大統領に、秘密の電話をして、ロシアからのS400の輸入を、止めるよう説得した。これはロンドンに本部のある、オンライン・ニュースが伝えたものだ。

 ペンス国務次官は何としても、トルコのS400のロシアからの輸入を、阻止したいということであろうが、エルドアン大統領に言わせると、それではアメリカはS400に代わる武器を、トルコに輸出するかというと、それはどうも問題があるようだ。

 エルドアン大統領は、アメリカがトルコに対して、パトリオット・ミサイルを売ろうとしない、と不満を述べている。そして、トルコ側にはアメリカとの取り引きの条件は3つあり、第一にはタイムリーにパトリオット・ミサイルが届けられること、第二はミサイルを共同で生産できること。第三にはパトリオット・ミサイルの技術がトルコ側に移転されること、ということだ。

 エルドアン大統領はパトリオット・ミサイルに限らず、自国で武器を生産し、それを輸出して儲けたいと考え、その実現を望んできていた。その一部が装甲車であったり、戦闘用ヘリだが、既に一部の武器は、輸出出来るようになっている。

 以前、三菱重工が戦車をトルコに売る商談が、持ち上がったが、トルコ側は技術を盗みコピーを生産し、それを輸出する意向であることが分り、日本側は商談を中止た、と聞いている。

 アメリカはトルコがどうしても,S400をロシアから輸入するのであれば、S400ミサイルを解体し、内部の構造を調べたい、ということであろう。多分、そうした懸念が大きいことから、ロシアはS400のトルコへの輸出に、合意しながらも、なかなか引き渡さないのではなかろうか。

 しかし、アメリカの強引な武器輸出攻勢には、ただただ驚くばかりだ。つい最近も、アメリカはアラブ首長国連邦に、15億ドルの武器輸出を契約したばかりだ。それだけアメリカの経済状況は、悪化しているということであろう。

 問題はアメリカが大赤字であるため、武器の輸出を急げば、アメリカ製の武器は品質が低下し、世界市場で信用を、失うかもしれない。日本が言いなりに買ったイージス・アショアも、オスプレイも、F35戦闘機も、しょっちゅう事故を起こし、墜落しているのだ。

 日本には『貧すれば鈍する』という言葉があるが、アメリカの現状は、この言葉の通りではないのか。それにしても、欠陥商品を売りつけられて、何も文句を言えない日本とは、どんな国なのであろうか。