『中東短信』

2019年2月25日

 今日は珍しくこれといったニュースが、送られてきていない、そこで短めなニュースを幾つかお送りしることにした。

 

:シャルム・エルシェイク会議EUAL

 エジプトのシナイ半島中部にある、観光地シャルム・エルシェイクでEUとアラブ連盟諸国が、会議をすることになった。このシャルム・エルシェイクはカイロとは異なり、砂漠の中の新しい街だけに、清潔な感じがする。従って、エジプトとしてみれば、古い垢にまみれたカイロ市で行うよりも、イメージがいいということであろう。

 しかし、今回のシャエル ・エルシェイク会議は、これといった特別なテーマはない。時節柄、対テロ協力とか経済協力といった、一般的な話が中心議題となろう。

 ただ、この会議を通じて各国が、関係促進の個別会談を行うことには、意味があろう。エジプトのシーシ大統領はルーマニアの大統領と、レバノンのハリーリ首相はイギリスのメイ首相と会っている。それ以外にも個別の会談は、複数開かれていよう。

 

:エジプトのシーシ大統領ユダヤ人が帰国するならシナゴーグを建設する

 エジプトのシーシ大統領は、以前エジプトに居住していたユダヤ人や、彼らの子孫がもしエジプトに帰国するならば、ユダヤ教の寺院シナゴーグを建設する、と語っている。

 これはショッキングな発言であろう。通常であれば、アラブの国がイスラエル政府やユダヤ人団体の要請を検討し、シナゴーグの自国内建設を許可するか、という問題だからだ。

 

 こうした発言をシーシ大統領が出来るということは、エジプト国内の治安を、しっかり維持しているということの、表れであろう。これが実現すれば、エジプトは国際政治の場で、大きな前進を記すことができよう。

 その裏には多分に、アラブ湾岸諸国のイスラエルへの、接近があるのではないのか。もうユダヤ人に敵対するのは止めよう、ということであろう。またトランプ大統領とネタニヤフ首相、アッバース議長との間で、近い将来、パレスチナ国家を樹立するという、噂も流れている。