『ワハビズムはユダヤがオリジン』

2019年2月22日

 イランの革命防衛隊のトップである、スレイマーニ将軍が、とんでもない爆弾発言をした。これはカスピ海に近いバボール市で、行った演説の中で、語ったものだ。

 彼はサウジアラビアのワハビズムは、ユダヤ教が起源だと言ったのだ。しかも、それはIS(ISIL)とも繋がっている、とも言っていのだ。ワハビズムはサウジアラビアで始まった、イスラム原理主義の思想であり、サウジアラビアの王家を始め、多くのサウジアラビア国民に、支持されている。

 それがユダヤ教と繋がっている、と言われたのでは、サウジアラビアの立場は無かろう。現実政治の世界では、いまサウジアラビアの王家と、イスラエルとの関係は改善し、接近してきているが、これまではユダヤ教はイスラム教の敵であり、イスラエルはサウジアラビアを始め、全てのムスリムの敵だ、とされてきていたからだ。

 スレイマーニ将軍は『ワハビズムのルーツはユダヤ教であり、ワハビズムはユダヤ教の思想に沿っている。』というのだ。そして彼はイランだけが、イスラムに沿ったシステムで、国家が運営されている、と語った。

 加えて、スレイマーニ将軍はイランはヘズブラや、ハマースとの意関係が、深いことから、イスラエルはイランに手を出せないのだ、とも語った。イラクも現在ではイランと良好な関係にある、と語ってもいる。

 ワハビズムがユダヤ教と関係が深く、それはIS(ISIL)との繋がっているために、IS(ISIL)3000のモスクを破壊し、数十万のムスリムを殺害したのだ、とスレイマーニ将軍は言うのだ。

 その延長線上で、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、パキスタンを訪問したことに触れ、パキスタンはサウジアラビアとの関係をよく考える必要があるとし、安易にサウジアラビアの援助に、すがるべきではない、と語っている。

 こうした発言が出て来たのは、つい最近、イラン南東部でパキスタンの支援を受ける、ジェイシュ・ル・アドル組織によって、イランの革命防衛隊兵士27人ほどが、殺害されたことによろう。

 スレイマーニ将軍は暗に,このテロ事件はサウジアラビアが、パキスタンに働きかけ、実行させたものだ、と言っているわけだ。その可能性は否定できまい。サウジアラビアとイランとの関係は、昨今、極めて劣悪であり、両国関係は緊張しているからだ。