『イランの核科学者MI6に誘拐される』

2019年2月11日

 イギリスの情報機関MI6は、いまでも健在なのであろう。イランから核科学者を誘拐した、というニュースが伝えられている。その手口はどうなっているのであろうか、と記事を読んでみたのだが、実に巧妙に出来ている。

 これには、イギリスのMI6と、アメリカのCIA、そしてイスラエルのモサドが関係していた、ということだ。言ってみれば世界のトップ・レベルの、情報機関による合同作戦だった、ということであろう。このイランの核科学者は、テヘランから連れ出され、その後、最終的にはアメリカに引き渡され、安全な生活が保障されたようだ。

 まずイスラエルのモサドが、この47歳の核科学者を、トルコに連れ出し〈トルコの情報機関もこの作戦に、関与していたものと思われる。)、イラン人の難民にまぎれて、イギリスまで連れて行った、ということのようだ。このことが可能なのは、最近、イラン難民のイギリスへの道が、開かれているからであり、彼らはトルコからセルビアに渡り、イギリスに至るということだ。

 それが可能になっているのは、セルビアとイランとの関係が良好であり、その結果、貿易が盛んになり、観光旅行者の数も増大しているようだ。セルビアまで来てしまえば、イランの難民は難なくヨーロッパに移動できる、ということであろう。

 今回誘拐()された核科学者は、2012年のテヘランで起こった、核科学者ムスタファ・アハマド・ロシャンの暗殺に関与していたと言われている。この2012年の暗殺には、モサドが関与していたということだ。

 我々日本人には想像も付かないような、国際間の協力体制が、出来上がっており、こうしたことが、可能になっているのであろう。ここで言えることは、アメリカとイギリスとの関係が、未だに一衣帯水の関係といえるほど、強いということ。そして、イギリスとアメリカとイスラエルとの信頼関係が、極めて強いということであろう。

 それでは日本はというと、残念ながらこうした国際間の、情報機関や特殊部隊の協力関係は、出来上がっていないということだ。それは、国家として未だに日本は、信頼されていない、ということか、あるいはその種の活動には、向いていないということであろうか。

 いまの日本に出来るのは、こうした作戦に必要とされる、特殊電子機器の、製造であろうか。だがそれも基本的には、こうした作戦を考える頭脳が、存在しなければなるまい。何がどう必要なのか、それをどう造るのか、が問われるからだ。