トルコが北西地域にある、ガス鉱床の探査に本格的に、乗り出したようだ。既に、小規模のガス鉱床が見つかっている。イナンルー1というテスト鉱床では、カナダのバルーラ社が進出している、ということのようだ。
トルコ政府はこの事に事の他喜び、トルコのガス生産には、大きな可能性がある、と発表している。このイナンルー1以外にも、可能性のある鉱脈はありそうで、その開発も始めると語っている。
トルコの鉱物資源調査機関〈MTA〉の代表の、ゼンギス・エルデム氏は、トルコが国外でも石油ガスの開発に、乗り出していることを明かし、中央アジアのウズベキスタン、アフリカのスーダンで始まっていると語った。
彼の語るところによれば、これら以外に中央アジアの国々や、バルカンの国々でも開発の話が、進んでいるということだ。またスーダンでは既に、生産体制に入りつつある、とも語っている。
加えて、ウズベキスタンにいては、以前に契約された鉱床の再開発も、進められる予定のようだ。つまり、トルコは周辺諸国やアフリカでの、石油ガス開発に本格的に乗り出している、ということであろう。
同様に、エジプトも自国のガス石油鉱床の開発に、本格的に乗り出す意向を、明らかにしている。このトルコとエジプトの動きは、考えようによっては、宝探しのような一発勝負の精神が、感じられなくも無い。
従って、両国が経済的に大きな問題を、抱えているということを、暗に示しているのかもしれない。発展段階にある国は、こうした方向に向かうのではなく、地道に工業生産能力を、発展させていく道を、選ぶべきではないか、と思うのだが。
なかでも、トルコの場合は、その可能性は充分あり、優れた技術を持つ技術労働者に、あふれている国なのだから、国内の工業レベルを伸ばす余地は沢山あろう。間違っても政治の不手際から、ブレイン・ドレイン現象〈頭脳流出〉は、生み出すべきではなかろう。