トルコの中小企業は現在、厳しい状況に追い込まれているようだ。以前から言われていたのだが、トルコ・リラ安のおかげで、トルコ国内はインフレとなり、外国からの借入金への金利は、ドルやユーロ建てであることから、実質的に20パーセント以上増加している。
こうした流れの中では現在、原材料費が高騰し、製造原価は上がっている。従って、このことはトルコ国内の物価を押し上げて、インフレを国内に生み出している。
こうしたことから、昨年のトルコの中小企業は、最悪の状態に陥り、全国で106167社が倒産したということだ。これらの企業の倒産原因も他と変わらず、原材料の値上がりや、借入金の支払いによって、追い込まれた結果だということだ。
中小企業のローンの額は、2017年では252億トルコ・リラであったものが、昨年2018年には、401億トルコ・リラに増えている。つまり、60パーセントもローンの額は増えている、ということだとトルコの調査会社は、報告している。
こうした状態が起こったのは、昨年8月のトルコ・リラの暴落によろう。それまでのトルコ・リラの対ドルレートは、ほぼ4トルコ・リラであったものが、あれよあれよという間に、7トルコ・リラまで下がったのだ。
その後、トルコ・リラは持ち直し、現在では5.3前後(1月31日現在は1ドル=5・23トルコ・リラ)で推移しているが、まだトルコ・リラは安いレートに、下がったままだということだ。
そして、この時のショックで増えた、借入金の返済や、それにかかって来る、金利分の支払いが滞り、トルコ・リラが少し持ち直したとはいえ、全く焼け石に水のような状態に、あるということだろう。
4月の地方選挙では、この経済問題が大きく、影響してきそうだ。だから与党AKPとエルドアン大統領は、不安を隠せないのであろう。ちなみに、現段階で与党AKPを支持する国民の割合は、35パーセントだということだ。