『トルコでは野菜果物価格高騰』

2019年1月30日

  トルコの高級レストランに入ると、季節に関係なく、大量の野菜が出てくる。友人に聞いたところによれば、安いレストランでは、そんなに大量の野菜は、出てこないそうだ。

テーブルの半分を占めるほどの量の野菜が、大皿に盛りつけられて、出てくるのだ。しかもサラダ菜などは、洗っただけで切らずに、丸ごと出てくるのだ。それをパキっと折って食べるのは、確かに旨い。

 さてそれは何をおいても、トルコ人が野菜好きだ、ということの証拠であろう。野菜を使った料理は多種類ある。ナスを焼いて白身の部分を、ペースト状にし、それに塩とオリーブ・オイルをかけたものは、パンにつけて食べる。ナスと肉の煮つけた料理や、焼いたものもポピュラーだ。

 パプリカ、唐辛子、ピーマンなども人気がある。パプリカには肉とコメを混ぜて詰め込み,それをスープで煮た料理があるが、それは、トルコの名物料理のひとつだ。確かドルマという名前だったと思う。何せレストランに入っても、友人のオーダーを聞いているだけで、自分では注文しないので、全く料理の名前は覚えないのだ。

 その野菜好きのトルコでは、いま大問題が起こり、それが場合によって、エルドアン体制を、倒してしまうかもしれないのだ。トルコでは『野菜革命』が、起ころうとしている。

 このため難を逃れようと、大手のスーパー・チェーン店は、野菜の販売を止めることにした。仕入れ価格と販売価格が違いすぎると政府から圧力がかかり、政府は値下げしろというが、スーパーにしてみれば、そんなことをしたのでは、採算が合わないというのだ。

 例えば産地ではナスの価格が、1キロ910トルコ・リラなのだが、スーパーでの価格は20トルコ・リラで売られている。ほぼ倍ということだ、日本でも同じようなものではないのか。

 生産者と政府の板挟みになっている、スーパーとしてみれば、取引しない方が双方との問題が、発生しないということだ。政府、特にエルドアン大統領は、4月に地方選挙を控えていることもあり、諸物価の値上がりが、直接、投票につながるとして『国家に貢献し低価格で売れ。』とか「国家は利益をあきらめる。」とかわめきたてている。

 ところが、スーパーなど小売業者には、全国組合があるし、生産者側にも全国組合がある。その組合の上層部の決定が,全国の市場に影響を与えているのだから、値引きは生産者も販売業者も、そう簡単にはできないのだ。

 エルドアン大統領は野菜に負けて、権力を手放すのか?笑い話であろう。