アメリカのポンペオ国務長官が、中東諸国を歴訪いているが、そこで言われた最も重要なことは『イランを締め上げろ』であったと思われる。ポンペオ国務長官は行く先々で、イランとトルコの危険性を訴えている。
このアメリカの敵意丸出しの伝言(命令)に、トルコも危険国家として、加えられている点が、注目されよう。NATOの同盟国であり、西側の先兵であるはずのトルコは、今やアメリカと同盟諸国にとって、敵国に変わったということだ。
トルコの行動でアメリカが、腹を立てていることは沢山あるが、ロシアからの武器買い付けに大きな理由があろう。トルコは何としてもロシアのS400ミサイルを、入手したいと考えているが、アメリカはそれに反対しており、それでもトルコが購入するのであれば、S400を調べさせろということだ。
あきれるのはアメリカはそう言いながら、トルコに対してもイランに対しても、直接アメリカが軍事行動を起こすとは、言っていない点だ。あくまでも友好諸国を使って、アメリカの敵国を潰したい、という虫のいい考えなのだ。それには、アメリカと最も親しい関係にあるイスラエルも、あきれているようだ。
アメリカはシリア作戦でも、大騒ぎする割には敵(IS(ISIL) を、あまり攻撃していなかったのだ。攻撃はアメリカに代わって、もっぱらクルドのYPGやSDFが実行していたのだ。その負い目もあってか、アメリカは何としてもクルドを、トルコの攻撃から守りたい、と言っているのであろう。
アメリカはシリア作戦が終了した後は、クルドを使ってイラク、トルコに揺さぶりをかける、つもりでいるようだ。トルコ国内には相当数(2~3000万人)のクルド人が居住しているが、シリアのクルドと合わせて、トルコの体制に挑戦させる、という考えであろう。
アメリカはイエメンでも、複雑な動きをしている。サウジアラビアをけし掛けて、イエメンとの戦争をさせ、大量の武器を売りつけることに加え、サウジアラビア国内の不満分子を、増やし続けているのではないのか。将来、サウジアラビアでは体制不安が、起こるものと思われる。
つい最近、アメリカの専門家の、論文が発表されたが、それにはアメリカが中南米諸国を敵対させ、彼らに戦争を起こさせ、最終的にはアメリカが中南米諸国を、支配するということが、書かれてあった。
東アジアでもしかりであろう。アメリカは韓国や日本の民族意識をあおり、敵対させることを、考えているのではないのか。一部にはアメリカが日本を先兵とすると主張する人たちがいる、それもそうかもしれない。ヨーロッパではドイツ・フランスが、対ロシアの先兵にさせられそうだ。