シリアでまたジハーデストが、巻き返して来ているようだ。去る火曜日に、シリアの北西部で勝利したようだ。この地域はトルコが支援する、FSAが抑えている地域なのだが、あっさり敗退した模様だ。
このジハーデストはアルカーイダの分派であるヌスラで、今ではHTSと呼ばれている。このヌスラは元々アルカーイダから、発生した組織であり、IS(ISIL)はイラクのアルカーイダから、生まれた組織であり、ヌスラとIS(ISIL)との間には、別に異なるものはなく、作戦上の分割ではないか、と思われる。
シリア軍高官の語るところによれば、このHTSは先週来攻撃を、仕掛けてきていたようだが、HTSは地域の4つの村落を、支配したということだ。それらはアヘーラであり、マアラト・ヌーマーンと、その周辺の村落などだ。
これらの村落を支配することは、イドリブ地域全体を支配するうえで、非常に重要なのだ。この戦闘のなかで、FSAは厳しい状況に置かれており、死ぬまで戦うしかない、と見られている。
FSAはこの地域の限られた、狭い地域に貼り付けられており、そこから抜け出すことができないのだ。なんとか政府軍の支配地域に、逃げ込みたいのだが、それもかなわない状態にあるようだ。
こうした状況が生まれているのは、やはりアメリカが『シリアから撤退する。』と宣言したことに、あるのではないか。実際には、アメリカ軍はいまなおシリアに駐留しており、時折空爆を行っているようだが、一旦、アメリカ側からの圧力が緩むと、全体に緩みが生じるのであろうか。
そのことは、反シリア政府のジハーデスト各派には、絶好のチャンスなのであろう。そうしてみると、トランプ大統領の『シリアから全面撤退する。』という発言は、まさに罪作りなことだった、ということであろう。
それは今後、他の地域でも同様の激変が、起こるかもしれない、ということではないのか。