『トルコでシリア難民とトルコ人が衝突』

2019年1月 3日

 

  起こるべくして起こった、としか言い様があるまい、トルコの各地でトルコの若者とシリア難民の若者が、些細なことから喧嘩になり、暴動が起こっている。400万人近いシリア難民がトルコに入り定住しており、彼らの一部は既にビジネスで、成功してすらいるのだ。他方、トルコの若者のなかには、多くの失業者がいることも事実だ。

 トルコ政府はシリア人に対して、トルコ国籍を与えたり、ビジネスの上での税の軽減も行っている。従ってやる気のあるシリア人にとっては、トルコは格好の投資先であり、起業する場所になっているようだ。

 トルコの南東部にあるガゼンテペで、トルコの若者とシリアの若者が対立し、負傷者が出た、というニュースが伝えられたのは、つい2~3日前のことだが、今度はイスタンブールで、同じことが起こったようだ。

 今後こうした難民と、トルコ人との間のトラブルは、増えていくものと思われる。そして、この難民のなかにはIS(ISIL)もいれば、他の過激派の戦闘員も含まれよう。今後のシリアに於ける、トルコ軍の動きによっては、シリアのクルドとトルコのクルドが呼応して、トルコ国内で暴力事件を起こそうとするだろう。

 この暴動に対してトルコ政府が強硬手段を取れば、トルコはシリア難民に暴力を行使しているとか、差別しているという西側諸国の、無責任なマスコミ非難が始まろう。マスコミは悲劇を創作することで、読者を増やそうとする傾向が、何処の国でもある。

 トランプ大統領は『トルコへの最大のプレゼントはシリアからのアメリカ軍の撤退だ。』と語り、『シリア問題はトルコに任せた。』と言ったが、とんでもないプレゼントになる可能性が大きいということだ。