現在、IS(ISIL)が活動しているのは、シリアとイラクにまたがる、ユーフラテス川の東岸地域60000平方マイルだ、と言われている。そこでは、アメリカの支援を受けるSDFが、IS(ISIL)と対峙しているようだ。
しかし、SDFとの戦闘が厳しいことから、IS(ISIL)のなかから投降する者が、増えていることも事実のようで、あたかも戦闘の終わりを、告げているようにも見える。
今ではIS(ISIL)の戦闘はほとんどが、小規模な特攻作戦などに、限られているようだ。しかし、IS(ISL)はこれまでも今も、大規模な作戦活動を、本文としていることから、イラクやシリアの他に、西アフリカ、フィリピン、イエメン、ソマリア、アフガニスタンに戦域を拡大している。
イラクとシリアで展開している、IS(ISIL)戦闘員の数は、20000~30000人と見られている。それらの多くは、地域住民のなかに溶け込んで、姿を現していない。マラシダ、バグーズといった村がIS(ISIL)の戦闘員が、潜伏する村のようだ。
そして、IS(ISIL)が現在支配しているのは、かつてのイスラム国家の、0・1パーセント程度の面積、と見られている。しかし、この二つの村についても、SDFの攻撃の前に、IS(ISIL)は手放さなければならなくなるのは、目に見えているといわれている。
ただ、アメリカ軍がシリアから撤退すれば、状況には変化が生まれることも予測されている。2000人のアメリカ兵が、シリアから撤退すれば、SDF側も弱くならざるを得まい。
つい最近、IS(ISIL)の戦闘員60人が投降したが、そのなかには、外人戦闘員が50も、含まれていたということだ。その前にも、30人の戦闘員が投降している、と報告されている。これはクルドSDFのマンビジュの軍事評議会の、スポークスマンであるシェルワン・ダルウイーシュが明かしたものだ。
彼に言わせれば、IS(ISIL)の戦闘員は投降するか、最後まで戦って死ぬしかない、ということだ。これら外人戦闘員は100か国から集められ、彼らはアラビア語を話すことが出来ない。そのため村に潜伏していても、言葉の問題で孤独を味わっているようだ。そのことが外国人戦闘員に戦列を離れて、帰国させているのであろう。
SDFのIS(ISIL)に対する攻撃は、激しさを増してきており、マラシダ村は南北から包囲され攻撃を、受けるようになってきている。どうやらIS(ISIL)はここに至って、イラクとシリアにおける、最後の段階を迎えているようだ。