NO:5353  1月6日   『シリアはクルドの自治めざるを得なくなる』

2019年1月 6日

 クルドのミリシア・グループであり、アメリカ軍に支援されている、SDFのレドル・ハリール司令官は、シリアとの交渉は必要であり、クルドの自治が確立されるべきだ、と語っている。そして、その可能性は高いとも述べている。

 シリアのクルド民族はシリア全領土の、30パーセントに居住しており、それが自治区になるということだ。こうした交渉には、クルドはシリア政府と、組まなければならない、と考えている。シリアとクルドにはトルコという敵が、待ち構えているからだ。

 レドル・ハリール司令官はシリア政府との交渉が、前進していると語り、クルドの支配地域はシリアの領土である、と明言している。そしてシリア政府側の反応は、前向きだということだ。

このクルド地域には、デルズールやマンビジュも、含まれるということであり、それはトルコ側の怒りを、爆発させる危険性があろう。レドル・ハリール司令官はシリア政府との間には、いまだに未解決の点があり、国際的な支援が必要であることを認めている。

 レドル・ハリール司令官はクルドのミリシアは、シリア軍に編入され、それには新憲法でクルドの権利が、認められるべきである、と語っている。

 確かに、今後予測されるトルコ軍の、本格的なシリアへの軍事侵攻は、シリア政府にとっても脅威であり、クルドとの共闘は、必要不可欠であろう。それはクルド側も同じであり、シリア軍とクルド・ミリシアの共闘は、充分にありうるし、将来のクルドの自治もありえよう。

 問題はシリア軍がトルコ軍を追放して(侵攻阻止出来て)、シリアが安定化に向かうなかでは、ユーフラテス川東岸の地域の、地下資源石油の利権を、どうシリア政府とクルド自治政府が分割するか、ということであろう。

 それまでにはまだ数年かかるかもしれないし、アメリカ軍はこれから先も、ユーフラテス川東岸に、留まるかもしれない、つまり、シリア政府とクルドとの自治合意は、まだ先の話だ。