『イラン軍支援部隊1万人がイラクからシリア入り待ち』

2019年1月18日

 イラクに控えているイランの部隊と、イラン部隊を支援するイラクの部隊が、イラクからシリア入りを、計画している。このイラクのイラン支援部隊とは、ハシド・シャアビ部隊で、これらの部隊の行動を決めるのは、イランの革命防衛隊のトップ、スレイマーに司令官だ。

 この部隊はいま、シリアのアサド大統領の、許可待ちをしている。許可が下り次第、部隊はイラクからシリア領内に、入るということだ。そうなれば、今後、続々とこの第一陣に加わる、別の舞台がイラクやイランから、シリアに向かうことになろう。

 イスラエルが恐れているのは、今回入るであろう部隊だけではない。その後に続く部隊が、シリアに入りアサド体制を、強化することだ。もちろん、ネタニヤフ首相はこうした、イラン・イラクの動きをけん制しており、シリアに入るな、と警告している。

 もし、このイランとイラクの部隊が、シリアに入ることになれば、イスラエル軍は直ちに空爆し、このイラン・イラク合同部隊を、殲滅するであろう。しかし、1万人の部隊、それに続くであろう、新たな部隊を前に、空爆だけで阻止できるのであろうか。

 このイランの動きは、イスラエルに対する警告であろう。これまでもイスラエル側は、イランの核開発問題や、シリアへの軍事介入と、シリアのゴラン領近くに、武器製造工場を開き、軍事基地も設置したことに対し、強い懸念を抱き、何らかの対応が必要だ、と強調してきていた。

 イランはそうした、イスラエルの攻撃的な対応に対し、逆に警告するのが今回の、部隊の派兵計画であろう。ことが緊迫していることと、イスラエルの不安の大きいことから、これが何時イラン・イスラエルの、武力衝突になっても,不思議はあるまい。

 ただ大量のミサイルを、保持する状態になったイランは、そう簡単な相手ではないことは、確かであり、イランがイスラエルに対する、ミサイル攻撃を行えば、相当の犠牲がイスラエル国民の間に、生まれることになろう。従って、イスラエルとすれば、アメリカの軍事圧力に、期待したいところであろう。

だが、アメリカはイスラエルやサウジアラビアを使って、イラン攻撃をし、アメリカ自身は軍事的対応はしたくない、というのが本音だ。このようなことから、最近、アメリカとイスラエルとの関係に、溝が入っているのではないか、という疑問が、出始めているのであろう.