『アメリカから始まる権力機構の崩壊雪崩現象』

2018年12月15日

  今年は全体的に悪い現象が、世界各地で見られた。経済の悪化、社会不安、気候変動、地震、火山の爆発とこれでもかというほど、考えられないような異常な状態が、起こっていた。

 それでは、来年はどうなるのかというと、来年はもっと酷い情況になるだろう、というのが大方の専門家の、見通しではないだろうか。エコノミスト誌は2019年を、黒一色の表紙で予想している。つまり、来年はもう夢も希望も無い、ということであろう。

 つい最近、アメリカから来た私の友人は、来年を予測するに充分な情報を、持ち寄ってくれた。それによれば、アメリカでのトランプ大統領の評価が、大幅に下がり、場合によっては弾劾裁判も、ありうるというのだ。

 その根拠は先般の選挙で、上院が民主党の勝利に終わったことだ。この結果、民主党はトランプ大統領が切り出す、提案を片っ端から反対、否決し、トランプ大統領は立ち往生する形になる、ということだ。

トランプ大統領は持ち前の毒舌で、世界を叩きのめしまくり、力で抑え込んで来ていた。それはベネズエラのような小国から、日本やEU諸国、そしてアメリカの対抗馬になりつつある、中国に対してもだった。

 しかし、ベネズエラについてはロシアが敢然と味方に回り、大型輸送機Tu-160を送り込み、核兵器の持込み不安を、アメリカに抱かせている。それはアメリカのお膝元であるだけに、かつて起こったキューバ危機の再来を、想像させるものだ。

 トランプ大統領の大口は、実際には何の利益も、アメリカ国民にはもたらしておらず、一部の金持ち層だけが、儲かる仕組みだ。そして、イスラエルに対する異常なまでの支援も、問題であろう。

 サウジアラビアのジャーナリスト、カシオギ殺害事件でも、トランプ大統領はアメリカの国益を前面に出し、サウジアラビアのムハンマ・ビン・サルマン皇太子無罪を、主張している。こうした彼の言動は、アメリカの良識ある国民を、うんざりさせていることであろう。

 トランプ大統領が槍玉に挙げられれば、その影響を受ける国が出てくるのは、当然であろう。まず、第一に考えられるのはイスラエルとユダヤ人であろう。既にヨーロッパ諸国でも、アメリカの国内でさえも、反ユダヤの動きは活発化しており、ネオ・ナチの活動が、あちこちで起こっている。

 そのイスラエルではネタニヤフ首相夫婦の、ドイツからの潜水艦輸入をめぐる、汚職問題が騒がれ始めている。この問題は近く裁判沙汰になるであろうから、ネタニヤフ首相が法廷に引き出されるのは、時間の問題であろう。

 加えて、IS(ISIL)がらみでアメリカと協力した、トルコのエルドアン大統領に付いても、来年は内外から非難の声が、上がり始めるのではないのか。トルコの経済もよくなく、多くの大手企業が赤字を抱え、四苦八苦しているというのが実情だ。その事は、来年にはトルコの主要企業の倒産が、相次ぐかもしれない。

 つまり、来年は世界の悪のサークルが表面化し、その悪巧みがばらされるということであろう。金のない庶民は苦しい生活の中で、そうした大物政治家たちの没落に大喜びするだろうが、それは貧乏人を豊かにするわけではない。来年は金持ちも貧乏人も、権力者も権力を持たない者も、泣きを見る年だということであろう。