『3つの石油に関する不安』

2018年12月11日

 いま石油の供給が、ままならなくなるのではないか、という懸念を私は抱いている。私は石油を専門としているわけではないので、あくまでも産油地域の政治動向から、推測したものだ。

 3つの不安がいま頭の中で、ぐるぐる回っているが、その第一、イランの石油生産と対米関係による輸出不安だ。トランプ大統領は『イランの石油を一滴も輸出させない。』と豪語しているが、それは実現不可能であろう。既に、ヨーロッパ諸国はインドや中国などと並んで、反トランプの動きに出ているからだ。

 それでもアメリカはできる限り、イランの石油輸出に対する締め付けを、行うであろうから、イランが輸出できる量は、通常の6~7割であろうか。それでも世界の石油市場には、影響が大ありということだ。トランプ大統領は案外臆病者であり、イランのタンカーに攻撃を加えようなことは、あり得まい。

 第二は、リビアの石油生産と輸出の状態が、不安定化していることだ。リビアの石油は南部地域で生産されているが、この地域には幾つもの部族ミリシアがおり、彼らが石油施設支配をめぐって、戦っているからだ。

 もちろん、石油の積み出し港もそうであり、リビアの石油輸出が完全に、止まることもあり得よう。リビアがいま輸出している量は、70万バーレル/日程度であろうが、それなりの影響はあろう、なかでもリビアの石油に依存している、ヨーロッパ諸国のイタリアやフランスは他に、石油輸入先を探さねばなるまい。

 そして第三には、カタールの動向があろう。カタールはOPECから抜け出し、今後は自国の判断により、生産量を変更するであろう。そのことがもたらす、OPEC加盟諸国への影響は、少なくないだろう。

 そしてあえて付け加えるならば、サウジアラビアの国内動向だ。カシオギ殺害事件以来、サウジアラビア国内では、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子更迭の噂や、権力内部の分裂と対立。そして内乱の噂も出ている。

 世界最大の産油国が内乱になれば、当然、世界の石油市場は壊滅的な打撃を受けることになろう。サウジアラビア国内でそれ以外に、予測されている出来事が、一つでも現実のものとなれば,その影響は大きいものとなろう。

 2019年について、多くの識者たちが暗い予測を、出しているようだが、私も同じだ。多分来年はヨーロッパが大混乱し、アメリカとヨーロッパの暗闘が繰り広げられ、そこのロシアも絡んでくるということであろう。そうした動きに産油諸国は、翻弄されるということだ。