サウジアラビアが中心となり、アラブ首長国連邦、バハレーン、クウエイト、ヨルダン、エジプトなどに呼びかけ、強硬なカタール締め付け対応を決めたのは、だいぶ前の話だが、それが今日なお続いている。
その結果、カタールへの陸海路は閉鎖され、物資が入らなくなっていた。もちろん空路は開かれていたので、イランやトルコといったカタールの友好国は、封鎖が始まった時期から、空輸で必要な物資を届けていた。
だが、それは物価を引き上げることになり、カタール国民はいいとしても、外国からの出稼ぎ者たちにとっては、苦しい生活を余儀なくされ、彼らは母国の家族たちへの送金も、ままならなかっ
そもそも、サウジアラビアがカタールを制裁した理由は、カタールがテロを支援している、という名目だったが、実のところ、サウジアラビアが毛嫌いしている、イランとカタールとの関係が、良かったからであろう。
カタールのテロへの支援は事実であろうが、サウジアラビアはその何倍も、テロ組織に支援を送っているのではないのか。しかも、サウジアラビアはイエメンでは、大虐殺を断行しているのだ。
さて突然ここに来て、サウジアラビアがカタールをGCCに呼び戻す、というのは何故であろうか。多分にカシオギ問題が、影響しているものと思われる。サウジアラビアはカシオギ問題で、世界中から顰蹙を買っており、他方、カタールに対する同情が強まっている。そのカタールはカシオギ問題で、一番強硬にサウジアラビアを攻め立てている、トルコと良好な関係にある。
サウジアラビアは何とか国際的な非難を、かわしたいと思い、その手始めにカタールとの関係修復に、動いているのであろう。次のGCC会議に向けて、GCCの事務総長であるアブドルラテイーフ・ザヤーニ氏は、カタールの首都ドーハを訪問する予定になっている。彼が正式にカタールを次のGCC会議に、招待するという手はずだ。
次のGCC会議はオマーンで開催される、予定になっている。そのサウジアラビアのカタール対応変化は,大歓迎すべきものであろう。カタールは裏ではイスラエルとの関係も悪くない。同国はイスラエルとの合意の上で、ガザのハマースに資金を提供している。サウジアラビアの皇太子も、イスラエルとの正式な関係構築に動き出している。そうしたことも背景には、あるのであろう。