『東シリアはIS最後の拠点に』

2018年11月29日

 ユーフラテス川の東側で、SDFやシリア軍とIS(ISIL)が、激しい戦いを展開している、という情報が届いている。この地域はデルズールを始めとする、石油地帯だ。アメリカは支配を続けたい、と思っている地域だ。もちろん、それはIS(ISL)とて同じであり、軍資金を稼ぎたいと思っている。

最近では、IS(ISIL)への外部からの支援が、弱っているのであろうか、専門家たちの多くは、IS(ISIL)が資金難に向かっている、と判断している。いまではこのデルズール地域には、数百人単位の武装グループが留まり、シリア軍やSDFと戦い続けている。

 IS(ISIL)側の戦闘員数は、2000人程度と見積もられており、彼らはデルズールのハジーン、ソウサ、アッシャアファなどで戦っている。しかし、これら戦闘員の中身は、ほとんどが外人戦闘員であり、シリア人の戦闘員数は限られているようだ。彼らは数百人単位のグループで、戦闘を続けている。

 IS(ISIL)の戦闘員らは家族を伴っており、IS(ISIL)の指揮に従っているが、彼らの中には優れた狙撃手もいる、ということだ。それでもIS(ISIL)の規模は、次第に縮小してきており、それはシリア軍とイラク軍に、彼らが挟撃されているためであろう。

 今でもIS(ISIL)に対する支援を続ける、シリアの地域住民はいる模様であり、彼らが細かい情報を提供し、戦闘を有利に導こうとしているのであろう。こうしたこともあり、ハジーンから

IS(ISIL)戦闘員を、完全に追い出すことは、至難の業のようだ。

  IS(ISIL)側は特攻攻撃をかけてくるし、砂嵐もSDFやシリア軍を、悩ませている。このためSDF

側には去る金曜日から、92人の犠牲が出ている。9月にはSDF側に450人の戦死者が出ていることもあり、戦闘は相当複雑であり、危険なものであろう。

  もちろん、IS(ISIL)側にも犠牲は出ている。これまでにこの地域では、730人のIS(ISIL)戦闘員が死亡した、ということだ。問題はデルズールでの戦いで、SDF側はIS(ISIL)同様に、地域住民の中から、戦闘参加者を募っているが、彼らは死を恐れており、勇敢には戦ってくれていない。

 これに比べIS(ISIL)側はこの地域を、死に場所と覚悟している模様だ。しかし、それは決してIS(ISIL)の輝かしい勝利に繋がることはあるまい。やはり戦費の調達が、思わしくないことが大きな足かせ、となっているのであろうか。