ドイツとEU加盟国の一部が、シリアのイドリブに残存する、テロ集団に対して援助している、という情報が流れてきた。さもありなんと言いたいところだが、やはり多少のショックは隠せない。
これは、イギリスのデイリー・テレグラム紙が伝えたものだが、それによれば、援助額は3750万ユーロで、これまでの援助総額は、4900万ユーロだということだ。
このドイツのテロに対する援助は、そのテロ組織の目標が、シリアのアサド体制打倒であることから、ドイツも同じ意向を持っている、ということになる。同様に、EUのほ他の幾つかの国も、テロ組織に対する援助を行っており、その援助額は、1170万ユーロだということだ。
ドイツ政府は資金援助の送り先が、どの組織であるかを明かしていないが、それはロシアの怒りに触れないためだ、ということだ。しかし、ほとんどはヌスラ組織(アルカーイダ)に、向かっているものと思われている。
この経緯について質問を受けた、ドイツの外務担当大臣ウオルター・インデナー氏は、あいまいな答え方をしているようだ。他方、メルケル首相はプーチン大統領から、シリアの再建に資金を出すよう要請されたが、これを拒否しているようだ。
現在、ドイツは中東に派兵しているが、国防大臣のウルスラー・ヴォン氏は、できるだけ長く駐留すると言っている。ちなみにドイツ軍はヨルダンのアズラク空軍基地に、300人を派兵している。これはアメリカ軍との共同行動だ。
ドイツからシリア・イラクなどに出向いている、テロリストの数は、数百人に上るとみられているが、彼らが帰国するとドイツの治安部は、数十人に聞き取り調査を、行っているだけだ。
ドイツの内務省は124人が、イラクやシリアの戦闘参加に向かったことを、把握しているが、総数は249人ということだ。同じ様に、イギリスからイラク、シリアの戦闘に参加しに、出かけた者の数は、900人前後であり、そのうちの40パーセントが、既に帰国しているということだ。
こうした情報が伝わってくると、ヨーロッパ人はスポーツにでも、参加するような気持で、戦闘地域に向かっているのではないか、と思えてならない。政府もまた、自国民のそうした行動に何ら、責任を感じていないのであろうか。
国柄の違いが、ここまでも違った人間の考えと、行動を生むのかということに、驚かされる。ドイツをはじめとするEU諸国は、アメリカの中東政策にどっぷりと、漬かっているということであろう。