アメリカでは、CIAがサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、カシオギ殺害を命令していたことを、断言した。実行犯が誰であるにしろ、これでムハンマド・ビン・サルマン皇太子の罪が、消えることは無かろう。
しかし、このCIAの発表はアメリカ国内問題も、露呈させることになろう。トランプ大統領は自国利益が第一であり、誰が殺害に関わろうとも、サウジアラビアとの武器の取引は、止めたくないようだ。
これに圧力を掛けているのは、トルコのエルドアン大統領だ。彼はトランプ大統領との会談(電話?)のなかで、カシオギ殺害に関しては、何も隠さないことにしよう、と釘をさしている。エルドアン大統領はサウジアラビアから、まだしかるべきものを得ていない、ということであろうか。
ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の兄弟である、ハーリド・ビン・サルマン王子がサウジアラビアに帰国しているが、彼はカシオギに対して、イスタンブールのサウジアラビア領事館に行くことは危険だ、と言っていたようだ。
つまり、サウジアラビア政府(ムハンマド・ビン・サルマン皇太子)は始めから、殺害を考えていた、ということであろう。その事をいみじくも、ハーリド・ビン・サルマン王子の発言が、裏付けることになったようだ。
トランプ大統領は彼の大統領権限で、CIAの判断を覆すのであろうか。あるいは、CIAが主張するように、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の殺害命令を、受け入れるのであろうか。このカシオギ殺害問題については、ロシアのプーチン大統領も発言を、し始めている。
ロシアの考えでは、サウジアラビア政府にはこの問題を、公正に取り扱う能力が無いということだ。信頼できる証拠を集めて裁け、と言っているのだ。それは裁判がサウジアラビ国内だけでごまかされることが、あってはならないということでもあろう。
今後、アメリカのトランプ大統領の対応が、サウジアラビア政府寄りであることが、明らかになった場合、トルコはロシアにも、カシオギ殺害のテープを渡す可能性が出てこよう。そうなれば、カシオギ問題は国際問題化し、サウジアラビア政府にとっては、相当な痛手となろう。