『中東短信』

2018年10月31日

 人生は泣き笑いなのかもしれない、いいことが続いたと思うと、思いもかけない不幸が、やって来たりする。

:これは、その例に当てはまるかどうか分らないが、サウジアラビアで働く女性たちが、ハロウィンで集まって、大騒ぎをしていたところを見つかり、逮捕されることになった。

 多分、フィリピン人の明るさと、歌やダンスが好きなことから、集まって騒いでいたのであろう。しかし、それはつつましやかな、サウジアラビアの女性たち()には、刺激が強すぎたのかもしれない。多分刑は軽く、反省を促す程度ではないか、と思われるのだが。

 

:トルコでは閣僚が被災地の視察に、ヘリコプターで向かっている際に、撮られた一枚の写真が、国民から顰蹙を買うことになった。それは、その紳士が高級なスカーフをかけていた、ということによるものだった。

 トルコでは金持ちや閣僚、国会議員議員などは、高級スカーフどころか、高級腕時計(数千万円単位のものまで)をはめ、イタリー製の3千ドルを超す靴を履くことなど、当たり前のことなのだが、この閣僚殿は運が悪かったのであろうか。

 

:エジプトのシャルム・エル・シェイクにある空港に、カザフスタンから旅客機が到着した。述べるまでもなく、シャルム・エル・シェイクはエジプトのシナイ半島にある観光地、カザフスタンから多数の観光客が、押し寄せたという事であろう。

カザフスタンはガスや石油の大産出国、金持ち層は少なくないのだ。何とか今後もこれに続いて、カザフスタンから多数の観光客が、エジプトを訪問することを、望んで止まない。

 

暗いニュースもある。

:チュニジアで30歳の女性が、特攻攻撃をして死亡している。あとで分かったことだが、彼女は大卒のインテリ女性であったようだが、仕事が見つからなかったということが、その原因のようだ。

 似たような状況はイランでもあり、イランからも大卒者の、失業のニュースが伝わってきている。イランの場合はこれに加え、インフレも相当進んでいる。外国の工作でイラン・リヤルが大幅に下がったことが、インフレの主な要因であろう。

 エジプトも同じような状況なのだが、エジプト人の明るい性格が、それを阻んでいるのかもしれない。

 

:イランから40年ぶりにコメが輸出された、というニュースが伝わってきている。多分、パラパラした粘り気の無い、インデカ米に似た米であろう、ただこの米は炊かれる時にサフランを少し加えるため、独特の香りと色を楽しめる場合が多い。以前テヘランのレストランで、出されたときのご飯は、そうだった。

 

:トルコの通貨リヤルは、このところ大分持ち直しているが、それはエルドアン大統領の義理の息子、ベラト経済大臣の手腕によるものではなかろう。単にブランソン牧師の釈放で、アメリカがトルコ・リラ安工作を止めたためであろう。

 ただ言えることは、トルコの底力は馬鹿にならない、ということだ。ヨーロッパからは相当の投資が、トルコの企業に向かっており、もし、トルコの経済が破滅的なことになれば、ヨーロッパの銀行や企業も、大きなダメージを受けることになろう。