『イランが石油市場を通じて石油輸出』

2018年10月29日

 

 イラン政府はアメリカのトランプ大統領の、イラン石油輸出阻止に対抗して、石油取引所を通じて石油輸出を、始めることを決定した。これは国内外のバイヤーに対するものであり、バイヤーは28万バーレルの石油を、買い付けることが出来る。

 イランのライト・オイルはいま7485ドルと値付けされている。この価格でバイヤーは買い付け、代金の20パーセントを、イラン・リヤルで支払い、残り80パーセントを外貨で、支払う形になる。

 現在、イラン石油省の立場は、同国の石油価格が、79・15ドルと設定しているので、石油取引所を通じて買うことは、割安ということになる。

 イランの石油取引所は、最低週一回開かれることになっているが、この市場によって、アメリカは『イラン石油輸出ゼロ』の方針を、崩されることになろう。

 イランはこれ以外にも、幾つかの石油輸出策を検討しており、一日100万バーレルの輸出を、目標としている。

イランの考えでは、イラン以外に大量の石油を、市場に供給できる国は、世界に存在しないことから、アメリカはイラン石油の輸出を阻止できない、と判断している。その意味で、今回の石油取引所活用は、有効な手段となろう。

そうした考えに、イギリスのグローバル・エナジー・スタデイ・センターの石油専門家である、マヌチェヘル・タキン氏も同意している。こうなると石油代金支払いの外貨は、アメリカドルを離れる可能性が高まろう。

バイヤーはトレーデングの2時間前に、イラン・リヤルで10パーセントを払い込むことになり、35000バーレル以上100万バーレルまで、買い付けることが出来る。このイランの石油取引を縛る、何の法も存在しない、ということのようだ。なお、石油取引所ではバイヤーの名前も、取り引き内容も公開しない、ということになっている。