『サウジアラビアのカシオギ問題の終わらせ方』

2018年10月19日

 

 もうカシオギ問題については、書きたくないのだが、どうしてもアラブや世界のマスコミは、カシオギ問題が主要なニュースになっているので、もう少し書かざるを得まい。

 カシオギ問題は事と次第によっては、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の失脚ばかりではなく、サウジアラビア王国の滅亡にも、繋がりかねないものだけに、軽視できないのであろう。

 トランプ大統領もやっとカシオギが、殺害されたこということを認めたが、サウジアラビアは1100億ドルもの武器を買う、上客であるだけに、そう簡単には手放せない。そして、アメリカのドル体制を支えているのも、サウジアラビアのオイル・マネーだから、無理もあるまい。

 しかし、これだけ色んな事実が明るみに出てくると、アメリカも対応せざるを得ないし、サウジアラビアもしかりであろう。ではどう決着をつけるのかということになると、最近、サウジアラビア筋から出てきた情報で、NYタイムズが報じたものだが、『ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の顧問の失敗。』ということにするのではないか、と言われている。

その人物の名はアハマド・アシイリ将軍で、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の顧問だった人物だ。もし、その線で話がまとまり、アメリカも認めれば、アハマド・アシイリ将軍は斬首刑に、処せられるかもしれない。国家を滅亡させるような、大きな間違いを犯したのだから、ある意味では当然、ということになろう。

しかし、アハマド・アシイリ将軍のアドバイスだけで、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が今回の挙に、出たかというと、やはり疑問が浮かぶ。何かもっと大きな力が、その背後にはいるのではないのか、と思えるのだが。(サウジアラビア王国を打倒し、同国を5つに分割し、石油の産出地アルカテイーフを独立させ、その小国を某国が保護する、という構図が浮かんでくる。)

カシオギ氏が著名なジャーナリストであり、サウジアラビアの民主化推進の正論を主張する、正義の味方のような、人物だったとは思えない。それはサウジアラビアに限らず、第三世界のマスコミは、権力の気に入るような記事を書いて、なんぼの世界だからだ。

カシオギ氏は王家のプリンスとも、関係が良かったようだから、ダーテイな部分もあったのであろう。しかし、西側先進諸国はすぐに、悲劇の主人公を仕立て上げ、そのことによって非難したい体制を、叩くのではないのか。

今回のカジオギ事件は、おどろおどろした事件に、脚色されてはいないか。拷問を受け殺害されるが、実は生きているうちに、彼の体は切り刻まれたとか、領事館の庭ではバーベキューが行われたとか、気持ちの悪くなるような、情報が飛び交っている。その結果、サウジアラビアのイメージは、地に落ちたのではないのか。つまり、最大の被害者はサウジアラビアであり、王家ということではないのか。