『ロシアがリビアもシリア方式取るか欧米懸念』

2018年10月10日

 

ロシアがリビアに武器と兵員を、送り込んでいるということが、欧米で問題になっている。ロシアはリビアもシリア方式で、問題を解決するつもりではないか、という懸念からだ。

述べるまでも無く、アメリカもイギリスもフランスも、イタリアもリビアには軍隊を送り込み、それぞれに、軍事基地を構築しているはずだ。そして、その基地を使い、これらの国々はその時々の状況で、リビアを攻撃しているのだ。

 ロシアは同国軍の特殊部隊スペツナズを、リビアに送り込み、既に軍事展開しているが、ロシアの説明では、アフリカ大陸からヨーロッパに渡ろうとしている、非合法移民を阻止するためだとしている。

ロシア軍の作戦は、リビア東部のトブルクとベンガジを、拠点としているが、この地域は東リビア政府の、ハフタル将軍の管轄範囲だ。そのことは、ロシア軍のリビアでの展開は、ハフタル将軍は合意が出来ているのであろう。

 ロシアはリビアにワグナーと呼ばれる傭兵も、送り込んでいるようだ、彼らはカリバー対艦ミサイルや、S300ミサイルもリビア国内に、持ち込んでいるようだ。

 ロシア軍がハフタル将軍との協力の下で、シリアでアサド大統領と協力して進めたように、作戦を展開していけば、反政府のテロ組織や武装部族組織は、壊滅が案外容易であろうと思われる。

 このロシア軍の進出に、欧米はどう対応するのであろうか。欧米諸国がリビアに進出しているのは、リビアの石油資源を、抑えることが目的なわけだが、それがうまくいかなくなる可能性があろう。

 2011年のカダフィ政権打倒以来、アメリカはリビアに対して、種々の工作を行ってきているし、フランスやイギリス、イタリアもしかりだ。リビアの内戦がいまだに止まないということは、欧米各国がそれぞれに、リビア国内の勢力部族に対して、武器と資金を供給してきたからであろう。

 これまで何度も書いたが、戦闘が起こり、それが長期化するのには、資金と戦闘員と武器が必要なのは、誰にも分ろう。それをアメリカはアフガニスタンでも、イラクでもシリアでも、やってきているのだ。もちろん、イギリスやフランス、イタリアもしかりであろう。ロシア軍のリビア進出は、それらの国々の努力を、水泡に帰する可能性が、あるということだ。