『反シリア政府派イドリブから重火器撤収か』

2018年10月 8日

  ロシアのソチでのエルドアン大統領と、プーチン大統領との話し合いで、シリアのイドリブにいるシリア反政府各派の、重火器の搬出が決まった。このロシアとトルコの合意を受け、反政府派は重火器を手放すことになった。

 反政府派は軽火器、中火器、57ミリ・サイズ以外のの重機関銃などを、手放すことを約束した。実際に土曜日からこの作業が、始まっている模様だ。この結果、ロシアとトルコは、20平方キロメートルの非武装地域を、1010日までに作ることになる。

 反シリア政府側の合同代表スポークスマンである、ナジ・ムスタファは既に重火器は搬出され始めていると語り、軽火器はその限りではないと語った。その後の作業については、トルコ政府の安全の保証が、必要ということであろう。

 エルドアン大統領はラジカル・グループに対して、武器を置けと語り、その後はトルコ軍とロシア軍が、同地域を共同でパトロールする、と語っている。それは、反政府派の安全を保証すると同時に、反シリア政府派の合意違反を、取り締まるということでもあろう。

 ハヤート・タフリール・シャーム・グループは態度を明らかにしていないし、アメリカの援助を受けるジェイシュ・ル・イッザも、これを受け入れることは、彼らが解放した地域を蚕食されるようなものだ、と不満を述べている。

 しかし、大方の反政府グループは、今回の対応を歓迎している模様だ。それは、彼らには勝ち目が無く、もし、拒否すればロシア軍とシリア軍の、空と陸からの猛攻を、受けることになることが、明らかだからであろう。イドリブでの彼らの安全は、トルコにかかっており、ロシア軍もシリア軍も、攻撃を希望しているからだ。

 イドリブには住民と反政府派を含め、300万人が居住している。重火器の処理問題と、反シリア政府派の撤収の問題が、うまく行かなければ、彼ら全て危険な情況に追い込まれるということだ。

 それはロシアやシリアにとっても不都合であろう。一旦まとまった戦闘停止が破られれば、ロシアとシリアは攻撃を再開しようから、ロシアとシリアは世界中から、非人道的だ、と非難されることになるからだ。その後には、アメリカの屁理屈によるシリアに対する攻撃が、待っていよう。

 そうしたこともあってか、プーチン大統領は、我々の目的は達成されるだろう。本格的な軍事衝突も、イドリブでは起こらないだろう、と語っている。そうあって欲しいものだ。