2018年9月9日
岡長裕二
Partial Opinion、Fake News
世の中には、Partial Opinion(言っていることは正しいが、全体を見ていない意見)やFake Newsが氾濫しているように思う。
例えば、1990年8月、イラク軍がクウェイトへ侵攻した時、油まみれの水鳥がクウェイト海岸で苦しんでいる写真が世界中に配信されたが、この写真は、米国の西海岸で撮影されたものであること、また、クウェイト内の病院へイラク兵が侵入し、看護婦から赤子を奪って投げ捨てる場面が世界中に配信されたが、実は、この看護婦は、駐米クウェイト大使の娘であり、撮影は、米国内で行われたことなど、今や、常識になっている。
最近では、シリアで、政府軍が毒ガスを使ったとして、子供たちに水を浴びせて、毒ガスを除去している映像が世界中に配信されたが、実は、予め、水を浴びせる場面を撮影して置き、配信された可能性が大きい。
第二次世界大戦の頃、アメリカは、日本人を「ジャップ」と呼んで、日本人はムシケラなのだから、殺しても問題ないと喧伝したという。ベトナム戦争の時は、ベトナム人をベトコンと呼んで、枯葉剤を撒いて、ムシケラ扱いで喧伝した。
つまり、世論を誘導するために、意図的に作ったニュースであるが、一般大衆は、検証のしようがないし、大新聞が流すのだから、大きくは事実と違ってないと判断してしまう。
さて、「北朝鮮の非核化が進んでない。6月12日の共同宣言は意味がなかった。」などとマスコミが、北朝鮮を非難している。これは部分的には事実であると思うが、如何にも、全体を見ていない意見だ。マスコミに誘導されて、一般大衆も北朝鮮を非難している。
この共同宣言の第3条を見れば、「Reaffirming the April 27, 2018 Panumunjom Declaration, the DPRK commits to work toward complete denuclerarization of the Korean Peninsula. 」と書かれており、非核化は、南朝鮮側も入る。然るに、このことについては、誰も非難していない。
以上