日本では報道されていないのではないかと思うのだが、とんでもないことがトルコのイスタンブールにある、サウジアラビア領事館で起きたようだ。
10月3日午後1時半に、イスタンブールにあるサウジアラビアの領事館に入って行った、サウジアラビア人ジャーナリストである、ジャマール・カシオギ氏が出て来ていないのだ。そのことは、彼のフィアンセであるトルコ人女性が、早速警察に届け出たが、埒があいていない。
述べるまでも無く、外国の外交使節が所有する場所は、外国と同じであり、警察といえども勝手に立ち入ることは、出来ないのだ。従って、何の情報も得られていないのは、当然の成り行きであろう。
ただ、大統領のスポークスマンであるイブラヒムカルン氏が、『ジャマール・カシオギ氏はサウジアラビア領事館内にいる。』と語っていることから、まだ拉致されたり、殺害されるという事態には、至っていないのであろう。
さて、このジャマール・カシオギ氏とは、どういう人物なのであろうか。彼は現在ではアメリカに亡命して、アメリカに住んでいるジャーナリストだ。以前はトルキー・ファイサイル王子が駐米、駐英大使の頃、メデア・アドバイザーを務めていた。
湾岸諸国ではテレビのアンカーマンをしたり、ジャーナリストをしたりと、マスコミ世界では結構活躍していた人物だ。彼の権力(王家)に対する切り口には、鋭いものがあったと言われている。
彼はワリード・ビン・タラール王子とも、親しい関係にあったようだ。ワリード・ビン・タラール王子は現在の、ムハンマド・サルマン皇太子とは、犬猿の仲だ。
ジャマール・カシオギ氏はウサーマ・ビン・ラーデンとも交流があり、彼と共にアフガニスタンにも、1990年代に入っていた時期がある。彼はウサーマ・ビン・ラーデンに対して、サウジアラビアに帰国するよう、説得していたということらしい。
ジャマール・カシオギ氏がイスタンブールの、サウジアラビア領事館を訪問した理由は、彼のサウジアラビアにいる妻と、正式に離婚するための手続きをするためであり、それは現在のフィアンセのトルコ人女性との結婚を、正式なものにするためであり、トルコ政府側がジャマール・カシオギ氏につけた、再婚の条件であったようだ。
今回のジャマール・カシオギ氏の動静は、裏にサウジアラビア政府の意向が、働いているのか否かは不明だ。ジャマール・カシオギ氏のこれまでの交友関係は、ジャーナリストとしての活動からすれば、サウジアラビア政府、なかでもムハンマド・サルマン皇太子にとっては、不愉快な人物である可能性は高かろう。
1週間程度で何事も無かったように、サウジアラビア領事館から出てくる、ジャマール・カシオギ氏の姿を見たいものだ。