EUの議会はトルコに対する援助を、7000万ユーロカットした。これはEUの周辺諸国の人道支援、人権、民主化、報道の自由などを支援する目的で、出されていたものだ。
しかし、今回のトルコ援助カットを、EU議員544人のうち、28人が反対、74人が棄権ということで、ほとんどがトルコへの援助に、反対したようだ。
EUのトルコに対する援助は、トルコに入ってきたシリア難民救済にも、使われる資金なのだ。7月にはこの資金のうち、300万ユーロがトルコ側に渡されてあり、他にも300万ユーロが援助される、予定になっている。
EUがトルコに対する援助を止めたことは、トルコでは人権が守られておらず、ジャーナリストを含め5万人が投獄されており、15万人が公職を追われているためだ。
問題は今回のトルコに対する援助が、カットされたことがエルドアン大統領の、ドイツ訪問の後だったことだ。つまり、EUはドイツに代わり、トルコに対するいやがらせを、したのではないか、ということだ。
同様に、トルコのMHP党はバフチェリ党首をして、ドイツ非難をさせている。それはギュレン問題に対するドイツの対応に、不満があるということであり、彼はドイツの対応は、空に木を植えるようなものだ、と非難している。
トルコにとって7000万ユーロは、それほど大きな金額では無いかもしれないが、トルコが経済難に直面しているいま、しかも、エルドアン大統領の訪独の後に、決議されたことは、トルコとエルドアン大統領に対する、内外の評価を下げることに、つながる危険性があろう。
どうもアメリカのトルコ対応といい、EUのトルコ対応といい、どこか嫌がらせの感じがしてならない。そうなると、トルコはますます欧米と距離を置き、ロシアに傾き、イラン支持に回るのではないか、という懸念が拡大するのだが。