アメリカのトランプ大統領が国連総会で、喜劇役者を演じている裏で、アメリカの国務長官ポンペオ氏が、国連総会に参加した、アラブの8首脳と会談している。この会合の目的は、イランをどう追い込むか、ということであったようだ。
トランプ大統領は今回の国連での演説で、自慢話以外には、イランを世界が協力して追い込もう、ということであった。それだけに、アメリカの政府高官たちは、それぞれの立場でトランプ大統領の、意向にそう行動をしていた、ということであろう。
アメリカはこれまで、アラブ湾岸諸国に対して、イランの危険性を説得していたし、そのアラブを実質的に、軍事的サポートをしている、エジプトに対しても、そうであった。ヨルダンはサウジアラビアがほとんど、丸がかえにしているような国であり、サウジアラビアに何かがあれば、直接的に影響をこうむることになる。
そうしたことから、ポンペオ氏との会合には、バハレーン、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、オマーン、クウエイト、カタール、アラブ首長国連邦が応じている。
そこで合意されたのは、アメリカや地域各国に対する、イランからの直接的脅威に、いかに対応するか、ということであった。
その会合の結論は、中東戦略協力組織の結成であり、これはGCC(アラブ湾岸諸国会議)が中心となるというものである。この中東戦略協力組織は、今後参加各国の間で、安定と発展、治安などの協力を、進めていくということだ。
この中東戦略協力組織に参加した各国は、正面切ってイランに対抗する立場を、明らかにしたということであり、今後、イラン側はこの組織への参加各国に、種々の敵対工作を取り始めるであろう。
湾岸諸国に対しては、テロ活動、反政府組織への支援など、各種の工作が始まろう。そうした不安から、アラブ湾岸諸国を守ってくれるのは、アメリカの情報機関だ、ということになろうから、アラブ湾岸諸国とアメリカのCIAとの、協力関係は拡大していこう。
また、エジプトについてはイスラエルとの、協力調整の主役を、演じることになろう。エジプトはイスラエルと正式な、外交関係を持つ国家であり、イスラエルとの調整については、誰も文句が言えまい。そして、この中東戦略協力組織は、アメリカとイスラエルが支える、ということは明白だ。