『国連加盟諸国の米離れ』

2018年9月28日

国連総会が開催され、世界中の首脳が一堂に会した。それは結構なことなのだが、今回の国連総会は何の成果を、生んだのであろうか。イラン問題が重要テーマの一つであり、それに次いでパレスチナ問題、北朝鮮問題が、重要テーマであった。

イラン問題ではトランプ大統領が、二度も登壇して大見得を切ったつもりのようだが、会場からは彼の演説を聞いて、笑いだす者が少なくなかったようだ。

トランプ大統領は退屈な国連総会に、喜劇タレントとして呼ばれたのであろうか。彼は『俺は短期間で大成果を上げた。』と言ったらしいが、誰も彼がしかるべき意味のある成果を、上げたとは受け止めていない。

トランプ大統領が大統領就任以来、やったことは何かといえば、彼の気に食わない国を脅しまくり、戦争委も辞さずという姿勢を示し、話し合いに引きずり出し、何の成果も挙げずに終わっているだけではないのか。


北朝鮮との交渉はその典型であろう。これではいかんということで、スタッフが取り繕おうとするのだが、北朝鮮政府はアメリカ政府の甘さを見抜き、一向に言うことを聞く気配はない。これはトランプ大統領の大成果の一つなのだ。

イランとの関係でもしかりであり、世界のマスコミは北朝鮮の後に、アメリカのトランプ大統領が追い込むのは、イランであろうと予測しているが、北朝鮮同様恫喝はしても、何も生み出すまい。

『世界的に話題の国の大統領達と俺はあったぞ。』というだけの言ってみれば、タレントの追っかけみたいなものでしかあるまい。イラン政府はそうしたバカげたトランプ大統領の癖をよくわかっている。

イランのロウハーニ大統領は国連総会でも、トランプ大統領に会おうとはしなかったし、軍事的な脅しに対してもせせら笑っていた。いまのアメリカの軍事力では死を覚悟する軍隊とは、戦えないということだ。

結局、アメリカ政府がやれるこはと言えば、経済制裁で相手国の通貨を弱体化させ、その国の内部で反政府運動が燃え上がって、体制が打倒されるということでしかないのではないか。

アメリカは甘く見られたものだ。金で追い込んだパレスチナ政府も同様に、アメリカをバカにしている。エルサレムをイスラエルの首都だと言い、一国でも二国でもいい、俺はどっちがいいかわからない式の、トランプ大統領の仲介など、全く信用していないのだ。

国連の加盟国は160か国を超える、第三世界の加盟国が大半であり、それらの国はみなアメリカに不満を抱いている。今後アメリカがどう脅してみても、援助をちらつかせてみても、もう言うことを聞くまい。アメリカの覇権の時代はすでに終わっているのだ。

 結局こうした状態にアメリカを、国際社会の中で置いたのは、彼が大国の大統領には、ふさわしくない3流の喜劇タレントだった、ということであり、品性があまりにも無さ過ぎた、ということであろう。アメリカ国民に心から同情する。