『ISの役割はほぼ終わりか投降と移動が目立つ』

2018年9月24日

 シリアやイラクで大躍進したIS(ISIL)の存在が、次第に薄れてきている。既にイラキャシリアの多くの支配地は放棄し、居場所に事欠く始末のようだ。彼らはシリアの北部や東部の川岸のエリアに移送されている。

 シリア北部はトルコへの逃亡経路であり、シリアのユーフラテス川の東側は、アメリカ軍の支配地になっているからだ。アメリカ軍がここで頑張っているのは、デルズール界隈のシリアの石油を、狙ってのことであろう。

 そこにIS(ISIL)のメンバーを集め、アメリカのシリアに於ける石油支配を、継続させる戦闘に参加させるのでろうか。また、IS(ISIL)はアフガニスタンにも、相当移送されたようだ。最近では、シリアやイラクでの戦果よりも、アフガニスタンでの活動が目立っている。

 IS(ISIL)はリビアでも活動してはいるが、いまひとつ精彩が無い。それはリビアのミリシア・グループが、幾つにも分かれており、戦闘を展開しているために、しかるべきグル-プと手を組むことによって、大戦団を組むことが出来ないからかもしれない。また、リビアには米仏英伊などの介入も、目立ってきているからであろうか。

 シリアではIS(ISIL)がイラク国境へ、移動したという情報があるが、これは先に述べた通りの、結果であろう。シリアではイギリス人の薬剤師が、IS(ISIL)側の医師として4年働いていたが、最近になって投降している。これはIS(ISIL)のシリアに於ける将来が、希望の無いものになってきているからであろう。

 IS(ISIL)がイランのアフワーズで開催された、戦勝記念式典のパレードに攻撃を加えた、という犯行声明を出したが、これはどう考えても、IS(ISIL)によるものだったとは思えない。単に宣伝のためであり、それ以外の何物でもあるまい。

 シリアからIS(ISIL)の幹部が、アメリカ軍のヘリで他の場所に移送された、という情報も流れた。それは事実であろう。IS(ISIL)のシリアでの敗色が濃くなり、無駄な犠牲は避けたい、しかも、これまで育ててきたIS(ISIL)の幹部を、死なせるわけには行かない、ということであろう。

 同じ時期に、バグダーデイの健康がすこぶる悪化し、既に指揮を取れる状態にはないことから、後継のIS(ISIL)リーダーの人事が、話題になっている。しかし、これはIS(ISIL)に関するニュースを、繋ぎ止めるためのものであり、バグダーデイが死に体(死亡?)にあることは、以前から言われていることであり、何の新味も無い話だ。

 IS(ISIL)もタレントのようなものであり、話題が豊富なほど支援者からの寄付も、集まるのであろう。そのための宣伝作戦に、一喜一憂することはあるまい。中東でのテロの主役の座からIS(ISIL)は降りたのであろうか。その次にどんな組織が登場するのか。