アメリカはイラクやシリアの内戦で、自分の地歩を固めとようと思ってきた。そのために、IS(ISIL)を始めとする、イスラム・テロリスト組織を支援してきていた。武器を与え、資金を与え、軍事訓練までし、逃亡経路まで提供してきていたのだ。
しかし、ここに来てどうもアメリカの作戦は、うまく行っていないようだ。一応、平定したかに見えたイラク情勢は、相変わらず問題を抱えており、戦争終結、そしてアメリカのビジネス再開、とは行かない模様だ。
それどころか、イラクでは実際に戦える、イラン軍(革命防衛隊)の進出が目立ち、アメリカ軍は手を焼いている。革命防衛隊の幹部は『アメリカには我々と戦って勝ち目は無い。』と豪語しているが、その通りであろう。イラン軍はそれなりの装備を持つに至り、武器の自主開発を進めているし、戦闘意欲がアメリカ兵とは段違いなのだ。
そうなると、イラクの石油を支配しようという、アメリカの作戦は失敗に終わることになろう。そもそも、アメリカがイラクに軍事攻撃を、かけ始めたのはもう、20年近くも前の話だ。イラクのサダム・フセイン大統領を絞首刑にし、一時期は勝利が明確に見えていたのであろうが、その後は全く 精彩を欠いている。
アバデイ・イラク大統領はアメリカ軍に、出て行って欲しい、と言っているのだ。しかし、イラン側については、同じシーア派であり、実戦をしてくれるということもあり、大歓迎という雰囲気が、イラク側には広がっている。
実際に、イラクでは一部で、イランの革命防衛隊とアメリカ軍が、武力衝突しているのだ。アメリカ側からはその戦いで、勝利の声は聞こえきていない。イラン側に比べ、イラク国内での情報収集に、アメリカはてこずっているのではないだろうか。
シリアでも然りだ。シリアでもアメリカがやっていることといえば、IS(ISIL)などのテロリストに武器を与え、逃亡ルートを提供し、一部では軍事訓練まで施している、という情報すらある。
これではシリア国民が、アメリカ軍を信用するわけは無い。加えて、ホワイト・ヘルメットを使い、偽の化学兵器攻撃が、シリア軍によって行われたとし、いまも新たな偽旗作戦を、準備しているようだ。欧米や日本では、ホワイト・ヘルメットなるアメリカの傭兵を、あたかも正義の戦士、といった報道をしているが、シリア国内ではそんな嘘は通じまいし、アラブの全域でも、シリアがガス攻撃を自国民にかけた、という嘘は完全にばれているようだ。
こうした嘘を重ねるアメリカの対応は、結果的に、アラブのなかの親米諸国政府を苦しめ、弱体化させることに繋がろう。その結果は、アラブの親米諸国がどんどんロシア側に、なびいていくことになる、ということだ。
そうしたアメリカの行動による、アメリカの信用失墜は、結果的に、アメリカを世界のなかで、孤立させることになる、という意見は国連の幹部からも、聞こえてきている。