『テヘラン会議は合意無し、各国の意見表明のみ』

2018年9月 8日

 イランの首都テヘランにロシア、トルコ、イランのトップが集まり、シリアのイドリブ対応を討議した。そこから共同声明が出たということで、いろいろ読んでみたが、それは共同声明というよりも、各国がそれぞれの立場から、意見を表明したに過ぎないようだ。

 参加各国は皆同じように、イドリブの置かれてある状況が、極めて危険であることを認識し、しかるべき対応が必要だとしている。この会議が開催された、金曜日の朝にもロシア機とシリア機は、イドリブを空爆している。

 プーチン大統領とロウハーニ大統領は、トルコとは意見を異にしている。トルコはこれ以上シリアの難民を、受け入れることは出来ない、国境のフェンス越えで、シリア難民が流れ込んでいる、と悲鳴をあげた。

 プーチンはテロリストを、温存させるわけには行かない、そんな対応は出来ないと語り、ロウハーニ大統領はシリアは全領土を、奪還すべきだと語っている。

 テヘラン会議は7年間にも及んだ、シリア内戦にとって、極めて重要なものであった。50万人が殺され、1100万人が自宅を離れて、危険から逃れているのだ。エルドアン大統領は会議の冒頭で、イドリブでの停戦が成立すれば、大きな成果だと語った、プーチン大統領やロウハーニ大統領は意見を異にしている。

 今回の会議で合意されたことは、参加各国がIS(ISIL)を、シリアから排除すること、ヌスラを排除すること、アルカーイダにリンクする組織の排除に、至ったことだ。また、コミユニケは国連や国際社会は、難民への援助をするべきだとした。また、シリア難民の安全な帰国を、保証することにも合意している。

 ロウハーニ大統領は全てのテロリストが、シリアから排除されるべきだと語り、住民の被害を出来るだけ、押さえることについても、言及している。

 トルコは2011年の内戦勃発から、現在までに350万人のシリア難民を、受け入れていると語った。シリア難民にはトルコ以外に、逃げ場が無いために、このようなシリア難民のトルコへの流入が、起こっているのだ。それも限界に達している、とエルドアン大統領は語った。

 ロウハーニ大統領はアメリカがシリアから、出ていくべきだと語り、エルドアン大統領はアメリカのシリア・クルド支援を非難した。このシリア・クルドはトルコによってテロ組織と認識されている、PKK(クルド労働党)とリンクしている組織なのだ。