『ノーピースデールノーエイド』

2018年9月 8日

 

 『和平交渉に出てこないなら金はやらない。』とトランプがパレスチナ自治政府に対して、発言した。極めて紳士的ではない発言だと思えるのだが、これが世界の超大国、アメリカの大統領の発言なのだ。

 これはイスラエルのユダヤ教徒の、ハシャナの祭日に合わせた発言だということだ。トランプは『我々にはそれ(イスラエルとパレスチナの和平)を実行することが出来る』と語り、『何故いままで何人もの大統領が、それを実行しなかったのか不思議だ。彼らは対話を続け、エルサレムへの大使館移転を語り、それは美しい言葉であり、多くを喜ばせた。しかし、それからは何も得られなかった。』

 トランプ大統領は続けて『お前らに金をやる、しかしそれは交渉に出て来たらの話だ。交渉に応じないなら、援助は受け取れない。』

 『この手法は今まで試みられただろうか、これまでの交渉者に聞きたい、それを試したかと。彼らは礼儀に反するやり方だと反論するだろうが、私に言わせれば交渉のテーブルに、出て来ないほうが余程、礼儀に反するということだ。』

 トランプ大統領によるこの発言は、彼らしいといえば彼らしいのだが、極めて乱暴な言い回しではないだろうか。『金が欲しいか、それなら俺の前で膝まづけ。』といった感じなのだろう。

 ある意味では、金に汚いパレスチナ自治政府の、アッバース代表には一番効果のある、嫌味なせりふであろう。しかし、大国アメリカの大統領の発言としては、あまりにも柄が悪すぎると思えるのだが。

 アメリカ国民の良識派の間から、トランプ大統領のこの発言に対する、批判が起こっているのであろうか、そうであることを祈る。そうでなければ、世界一の軍事力と経済規模を持つアメリカには、良識がなくなったということになるのだから、世界は暗闇に向かって転げ落ちるということになる。