『アメリカはシリアで虐殺を断行するのか』

2018年9月 3日

 シリアのムアッレム外相はアメリカとイギリスが結託して、シリア政府が化学兵器を使用した、とでっち上げ、それを口実にシリアへの軍事攻撃を、断行すると警告している。その結果、おびただしい数の市民の犠牲が、発生することは、目に見えている。

 以前にもシリア政府が、化学兵器を使用した、とホワイ・トヘルメットを使ってでっち上げ、シリアを攻撃している。そのときは誰も、シリアが化学兵器を使用、いう証明をする者がいなかったばかりか、多くの国際機関や著名なジャーナリストが、シリアの化学兵器使用事実ではない、と証言している。

 化学兵器の使用による、被害者とされる子供たちが集められ、嘘の証言をさせられ、水で体を洗浄しているシーンが、世界に報道されもした。しかし、使用したとされる化学兵器は、塩素ガスということであり、そんな水で洗う程度では、何ともなるものではないことは、専門家にはすぐ分かることだ。

 今回はイギリスの協力で、IS(ISIL)やヌスラが塩素ガス兵器を、イドリブの近郊南西部の村,ジスル・シュグールに持ち込んでいる、ということだ。このことはシリアばかりではなく、ロシアもその他の国々も証言している。

 塩素ガスのキャニスターは、8本持ち込まれている、ということだ。アメリカはIS(ISIL)やヌスラを支援し、シリアを攻撃する考えのようだ。他方、シリアは何としてもイドリブをテロリストの手から、解放したいと望んでいる。

 このため、シリア軍はイドリブ近郊に、軍を集結させており、何時でもイドリブのIS(ISIL)やヌスラとの、戦闘が開始できる状態に、しているようだ。つまり、イドリブの情勢はいつ戦闘が始まっても、不思議はないということだ。

 他方、アメリカによる偽情報をもとにした、イドリブへの化学兵器攻撃への、報復攻撃が始まることを、阻止するために、ロシアは大艦隊を地中海に集結している。それに対抗すべく、アメリカの海軍もペルシャ湾に、集結しているのだ。

 こうした緊張を根拠に、アメリカとロシアの間で、戦闘が発生するのではないか、それが第三次世界大戦の、口火を切るのではないか、と懸念する人たちもいるほどだ。アメリカとロシアとの間も、まさに一触即発の状態にある、ということだ。

だが私の考えでは、トランプ大統領にはロシアと、戦争を始めるほどの、度胸はあるまいということだ。トランプ大統領は緊張を、限界点まで高め、問題を解決する方法を、既に考えているのではないのか。そのことが国際的大賞賛を受け、ノ-ベル賞候補になることを、トランプ大統領は望んでいるのかもしれない。

 たまらないのは庶民だ。それで殺されるのでは、全く理屈に合わない。いま語られているアメリカのシリア攻撃が、あくまでも噂であることを、望むばかりだ。もし、シリアのムアッレム外相が語るように、事態が進むのであれば、世界はアメリカとイギリスに、どのような懲罰をかけることができるのか、何もできまい。