『ISの動きが活発化しているのは何故か』

2018年9月13日

 このところ大きな作戦ではないが、(ISIL)の動きが、活発化してきているような気がする。それは、シリアのイドリブでの戦闘が第一だが、イドリブの戦闘では、IS(ISIL)には勝算はないだろう。

 他にもIS(ISIL)はシリア南部の、タヌーフでも動いているし、デルズールでも動いている。タヌーフはアメリカ軍の基地があるところであり、そこではアメリカ軍が守ってくれる、あるいは逃げ場にアメリカ軍の基地が、なってくれるという、安心感からであろう。

 デルズールはと言えば、ここもアメリカ軍の基地が、多数あるところであり、IS(ISIL)は安心して作戦を、実行することが出来よう。IS(ISIL)がデルズールにこだわるのは、デルズール界隈には石油の油井が多数あり、そこを支配下に置けば、IS(ISIL)の台所事情は楽になる、という計算であろう。

 IS(ISIL)の最近の収入は、一時期の30億ドルに比べ、23億ドルまで落ち込んでいる、と言われている。これでは戦闘員を集めるにも、現存の戦闘員に勇敢に戦わせるにも、不便であろう。まさに地獄の沙汰も金次第なのだ。

 特攻攻撃が行われているところもあり、これにはしかるべき報奨金が、遺族に支払われている模様だ。そうでもなければ家族を残して、安心しては死ねまい。何処の人たちも根本部分では、変わりはないのだ。

 IS(ISIL)はリビアでは、トリポリ空港に攻撃をかけ、ロケット弾を発射している。この場合はどちらかと言えば、IS(ISIL)の存在と戦闘が活発に行われていることを、示すための宣伝であった、と思われる。

 いまでは本格的な戦闘行動は、アフガニスタンやリビアに移り、イラクやシリアでは かろうじて戦闘が継続されている、というのが実態ではないのか。IS(ISIL)の最盛期は既に過ぎた、ということであろう。