『エジプト経済は上昇傾向か』

2018年8月30日

 エジプトも他の中東諸国同様に、決して経済状態が良好だ、とは言え無いようだ。しかし、エジプトからは幾つかの前向きな兆候が、伝えられてきている。それがこの国の将来に希望を、持たせてくれそうな気がしている。

 エジプトは1億の人口を有する中東最大の国家であり、長い歴史があり、多くの未開発の地下資源があり、軍事大国でもある。人口が多く歴史が長いということは、エジプトの人的資源が大きいと言うことも意味している。

エジプトの人材は豊富であり、余った人材がアラブ諸国に、出稼ぎに行っているのだ。労働者はもとより、技術者、医師、教員、ビジネスマンも多数アラブ諸国に行き、その国の全てに関与している。実は兵しのは件数も相当な数に上っている、サウジアラビアの王室のガードは、ほとんどがエジプト軍将兵による、と伝えられている。

従って、エジプトの経済が悪いのは、何処かに問題があるからだ、ということになるが、その最大の問題はイスラエルとの、長期にわたる戦争状態であったろう。それはいま和平が合意されており、問題はなくなっている。

もう一つはイスラエルとの敵対関係のなかで欧米諸国がこの国の地下資源h階はツン見協力しなかったことによろう。だが、最近ではエジプトを信頼できる国として欧米諸国が見なすようにアンリ,地下資源の開発が進んでいる。

地中海海底ガスの開発は進み、相当量のガスが産出されるようになったが、これにはイタリアのENI社が、大きく貢献している。また、石油ガスの開発は地中海だけではなく、陸地でも進められている。

エジプトの西部砂漠地帯では、アメリカの企業がガスと石油の、掘削を始めている。それはアペックス社とアパッチ社だ。エジプトの西の地域は、リビアと隣接しており、述べるまでも無くリビアは、産油国なのだから、石油がエジプトの西砂漠で出て来ても、不思議はあるまい。

エジプトの紅海に面するスーダンとの、国境地帯には金鉱脈があり、現在、金の生産が進んでいる。確かカナダの会社が操業しているが、どれほどの金が産出されているのか、正確な数字は発表されていないようだ。

そして、エジプトはナイルの賜物であり、農業国でもある、最近では、アラブ湾岸諸国だけではなく、野菜果物類のヨーロッパ市場向け輸出が、進んでいる。これも将来、相当拡大していくものと思われる。それには日本の農業技術協力が待たれよう。

そして最後は観光だが、シーシ大統領の徹底したテロ対策で、治安状況が改善してきており、最近になって観光収入は7パーセント増か、と報じられているが、今後も増えていくものと思われる。

エジプトの失業率は下がった、というニュースが伝えられたのは、つい数日前のことだが、それも将来への希望を感じさせる。エジプトの通貨ポンドは安定したレートに、留まってもいるようだ。