『ロシア評価上昇プーチンサウジアラビア訪問トルコ関係強化』

2018年8月25日

 

 トランプ大統領の理解に苦しむ、対外的な言動の影響であろうか。あるいは、シリアでのロシア軍の貢献によるのであろうか、このところ中東諸国の間で、ロシアに対する評価が、際立って高まっている。

 同時に、それはロシアのプーチン大統領に対する、評価も高めているようだ。サウジアラビアのサルマン国王は、プーチン大統領に対し招待状を送り、サウジアラビアを訪問してくれるよう要請した。

 ご存知の通り、サウジアラビアはアメリカとの関係が、最も強い中東の国であり、その国の国王が、アメリカのライバルであるロシアの大統領を、招待するということは異例であろう。

 プーチン大統領のサウジアラビア訪問時に、何が話し合われるのか、サウジアラビア政府はコメントしていないが、直接サウジアラビアのサルマン国王と、プーチン大統領が会った段階で、テーマが明らかになろう、ということのようだ。

 ロシアとサウジアラビアのトップが会うということは、述べるまでも無く、石油価格と生産について、語られるのではないかと思われる。OPEC諸国を代表するサウジアラビアと、NONOPECの産油国ロシアとが、話し合うということだ。

 それ以外には、やはり中東情勢全般に関する、意見交換が行われるものと思われる。サウジアラビアが敵対関係にある、イランとロシアの関係は良好であることから、ロシアがイランとサウジアラビアの仲介に、回ることもあろう。

 ロシアとエジプトの関係も良好であり、エジプトのシーシ大統領は事ある毎に、プーチン大統領とロシアを賞賛している。エジプトは中東諸国のなかにあって、最も強大な軍事力と、人口を有する国であるだけに、この国の大統領の発言には重みがある。

 プーチン大統領はトルコとの関係が、前進していることについても発言し、トルコとロシアは極めて良好な関係にある、と言っている。プーチン大統領に言わせれば、ロシアとトルコとの関係は深まっており、地域問題での協力、経済問題での協力が、進んでいるということだ。

 トルコからは最近情報のトップである、ハカン・フェダン氏がロシアを訪問し、シリア問題を討議した、と伝えられてもいる。ロシアの考えるシリア問題の解決は、イランとトルコそしてEUを加えて、国連を活用しながら進める、ということではないのか。

 そうしたロシア主導の、中東問題解決が進められれば、当然のことながら、アメリカの影は薄くなろう。ロシアには高度な武器を生産しており、強大な軍事力があることも、アメリカ離れを中東諸国にもたらすのではないか、と推測させるではないか。