『IS(ISIL) に新カリフ誕生か』

2018年8月17日

 

 IS(ISIL)に新しいカリフが、誕生するという情報が入って来た。確かにバグダーデイは重傷を負い、いまではベッドに横たわったままだと言うのだから、彼が陣頭指揮を取る事は、不可能であろう。

 イラクやシリアでの敗走の一因は、そこにあるのかもしれない。しっかりした指導者を持たなければ、どの組織も混乱、し勝利を得ることは出来まい。それは企業も公的機関も然りだ。

 最近になって、イラクやシリアでIS(ISIL)が、失地挽回しているという情報もあるが、どれだけ失地を快復しているのかについては、確認できない。そうしたなかで、新しいIS(ISIL)のカリフが、アフガニスタンで誕生している、ということが情報機関などから、出てきている。

 アメリカなどは、テロ組織が想像以上に拡大している、という見方をし始めているようだ。IS(ISIL)の戦闘員数はイラクで17000人、シリアでは14000人ほどだ、と見積もられている。近くアメリカの共和党議員が、詳しい報告を出す予定だ、ということのようだ。

 IS(ISIL)の戦闘員はイラクとシリアに約30000人いて、彼らはイラクとシリアの国境の砂漠地帯に、潜伏しているようだ。このため、イラクの空軍がシリアに越境して、空爆するということが、起こっているのだ。

 国境地域以外にはシリアのイドリブに、IS(ISIL)は集結している。その事は公に知られていることだ。それ以外には、エジプトのシナイ半島北部やイエメン、リビアに潜伏している。

 アフガニスタンではIS(ISIL)の拡大が知られており、アフガニスタンのほとんどの地域で、彼らの存在が確認されている。それは、アフガニスタン政府がタリバンとの戦闘で多忙であり、IS(ISIL)にまでは手が回らないためであろう。

 アフガン政府はIS(ISIL)を監視し、対応するだけの人手と、時間が無いということだ。アフガン政府が新型の武器を入手していても、間に合わないということのようだ。そのため、IS(ISIL)はタリバンからアフガニスタンに於ける、主導の地位を奪い、今後攻勢に出て行く見通しだ。

 何故IS(ISIL)がアフガンに大挙して、移動したかと言えば、それはアフガニスタンの持つ地政学的な、重要性からであろう。アフガニスタンは中国の新疆ウイグル地区に近いこと、中央アジアとは隣接していること、などが挙げられよう。

 それは、リビアの場合と同じであり、リビアはアフリカへの、入り口になっている国家だ。だからIS(ISIL)はアフガニスタンやリビアに、進出しているということなのだ。その拡大目的がどの国にあるのか、とてもIS(ISIL)だけの目的とは思えない。