『トランプ大統領はロウハーニ大統領と会談希望』

2018年7月31日

 

 トランプ大統領は傲慢であり、無礼な人物なのであろうか。あるいは大策士なのであろうか。北朝鮮の金正恩との会談をし、大成功だったと自画自賛した。しかし、その内容はいい加減なものであった、というのが大半の専門家の評価だ。

 

 今度は仇敵イランの、ロウハーニ大統領との会談を、希望すると言い始めている。この場合も北朝鮮と同様に、最高レベルの脅しをかけた後に、会談を取り付けようとしている。そうすることにより、相手を怖気づかせ,会談に応じるように仕向けるのであろう。

 トランプ大統領はこれに先立ち、近い将来イランを攻撃する、ということを閣僚の何人にも言わせているし、彼のツイッターでも同様の内容を、発出している。加えて、トランプ大統領は経済問題で、イランを追い込むことに、成功しているようだ。イランの通貨リヤルはここに来て。1ドルに対し112000リヤルにまで下げている。

 確か今年の始めは、30000リヤル程度であったような気がするが、その半分でも大きな暴落であろう。これでは外国との取引が成立すまい。そこでイランが考えるのは、金をベースにした取引であり、アフリカ諸国とはその話が、既に進められている。

 さて、トランプ大統領はロウハーニ大統領と、会談を希望しているようだが、イラン側は応じるのであろうか。イランの最高権威者であるハメネイ師は、アメリカはでたらめであり、話しても意味がないと言っている。

 このハメネイ氏の発言は重いものであろうが、ロウハーニ大統領はそれをはねのけて、トランプ大統領と会談するのであろうか。もしそうなれば、ロウハーニ大統領のイラン国内での支持と、反支持は鮮明になるのではないか。

 イランの革命防衛隊などは、ハメネイ氏の意見を支持し、民主化傾向の国民はロウハーニ大統領を支持し、アメリカとの交渉の後に、民主化と自由の拡大を望んでいよう。

 トランプ大統領のイラン・トップとの、会談希望の目的は、そこにあるのかもしれない。これまでアメリカは民主化運動家を、後ろから支援してきている。今度はイランの大統領を動かすことで、大きな一歩を確実なものにすることを、考えているかもしれない。

 この途方もない、トランプ大統領のイラン・トップとの会談は、もし実現すればイスラエルにとって、相当ショックなものになろう。イスラエルはアメリカにイランを攻撃させることにより、中東地域でのイランの影響力をそぎたいと思っていたからだ。

 アメリカのトランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領との交渉以後、シリア問題はほとんどロシアに、まかせたようだ。そのロシアはいま、イランの革命防衛隊をゴラン高原から100キロは離すが、シリアから撤退させるつもりはない、と言っている。